iPhoneが奪われた瞬間にロック?iOSで開発中の盗難対策を読む

歩きながら地図を見ていたiPhoneをひったくられたら、画面が開いたままだと、とくに危険です。海外メディアの報道によると、iOS27.2のベータ2のコードから、iPhoneが奪われたと判断すると自動でロックするとみられる機能の手がかりが見つかりました。現地時間10月26日配信のiOS27.2正式版のリリースノートにも記載はなく、提供時期は分かっていません。ひったくり対策としての中身と、今ある「盗難デバイスの保護」との違い、今のうちにできる盗難対策まで整理します。
iOS27.2ベータで見つかった「奪われたら自動ロック」
見つかったのは、泥棒にiPhoneをつかみ取られたときに端末をロックする機能の手がかりで、Appleが紹介した機能ではありません。社内では「AutoLock」と呼ばれているとされています。正式名とは限らないため、この記事では「自動ロック」と呼びます。
iPhoneは何を合図に「奪われた」と判断するのか
「奪われた」と見分ける材料は、iPhone自身の動き、Apple Watchとの距離、通信やロックの状態に分けて考えると整理しやすくなります。
急な加速など5つの合図とみられる仕組み
報道で例に挙げられた合図は、急な加速、ペアリングしたApple Watchとの接続切れ、Apple Watchに届かない状態、通信が長く途切れる状態、ロック解除のまま一定時間たつ状態の5つです。これ以外の合図がある可能性もあり、それぞれの詳しい条件は報道では分かりません。
日本で想定しやすいのは、自転車やバイクで追い抜きざまに、手に持ったiPhoneを奪う手口です。この場面では、手から急に引き離される動きが「急な加速」に、腕のApple Watchから離れる状態が「接続切れ」にあたる可能性があります。通信が長く途切れる状態や、ロック解除のまま時間がたつ状態は、奪われて少し時間がたってから働く合図かもしれません。
生体認証の成功などで誤作動を防ぐ工夫も
安全装置として挙げられているのは、生体認証(Face IDなど)の成功と、盗難のように見えても問題のない一部のアプリの動作です。走りながら写真を撮る、急いでiPhoneをポケットにしまうといった動きは、急な加速と区別しにくい場面です。持ち主が認証に成功していればロックを避けられる設計なら、日常の操作で困る場面は減らせると考えられます。
今ある「盗難デバイスの保護」とは守る場面が違う
盗難デバイスの保護は、盗まれた後に重要な変更をさせない仕組みです。一方の自動ロックは、奪われた直後にロックする仕組みの可能性があり、守る場面が違います。
盗難デバイスの保護は盗まれた後の変更を防ぐ
Appleのサポートページによると、この機能はiOS17.3以降で使え、よく知っている場所の外では生体認証や1時間の待機が求められます。生体認証を必須にする操作の一覧に、写真やメッセージの閲覧は見当たりません(ロックしたアプリは別の方法で保護できます)。
パスコードを知られたうえで奪われると、Apple Payの支払いなどが使われる危険は残ると考えられます。画面を開いたまま奪われた直後の状態をどこまで守れるかは、サポートページからは読み取れません。
自動ロックは奪われた直後を守る仕組みとみられる
報道によると、この機能は端末が自動でロックされる仕組みのようです。ロックされた後にどんな操作が必要になるかは、報道では分かりません。パスコードを知られていなければ、画面を操作される前に守れる可能性があります。提供されれば、奪われた直後と、その後の重要な変更の両方に備える形になるかもしれません。
| 項目 | 盗難デバイスの保護 | 自動ロック |
|---|---|---|
| 守る場面 | 盗まれた後の重要な変更 | 奪われた直後(ロックされる場合) |
※Appleのサポートページと海外メディアの報道をもとにした筆者の整理です。自動ロックの内容は開発中の情報です。
いつ使える?正式な提供は未定で気がかりも残る
コードで見つかった機能が、次のアップデートで必ず使えるとは限らず、提供の有無も時期も、報道の2026年9月22日時点では分かっていません。10月26日に配信されたiOS27.2正式版のリリースノートにも、この機能の記載はありませんでした。次のアップデート以降で加わるかどうか、引き続き確かめる必要があります。日本での使い勝手を考えると、Apple Watchの有無と誤作動の2点が気になります。
Apple Watchがないと合図が減る可能性
報道で挙がった5つの合図のうち2つは、ペアリングしたApple Watchが前提です。Apple Watchを持たない人にも使えるかは、報道では分かりません。使える場合も、Apple Watch前提の2つの合図は働かない可能性があります。通勤でiPhoneだけを持ち歩く人ほど、この違いを意識しておく必要があります。
満員電車やランニング中に誤作動しないか
満員電車で押されてiPhoneを落としかける、駅の階段を急いで駆け下りるといった場面も考えられます。ランニング中にiPhoneを手に持って走る動きも、急な加速と重なる可能性があります。どの程度の動きで反応するのかは、報道では詳しい条件が分かりません。
自動ロックを待つ間にiPhoneで今できる盗難対策
今すぐ取れる対策は、盗難デバイスの保護がオンになっているかを確かめ、自分の使い方に合わせて「常に」へ切り替えるかを決めることです。
盗難デバイスの保護がオンか確かめる
「設定」→「Face IDとパスコード」(Touch IDの端末は「Touch IDとパスコード」)を開き、「盗難デバイスの保護」の項目を見ます。盗難や紛失の前にオンにしておく必要があります。
筆者のiPhone13でも同じ手順で開くと、「盗難デバイスの保護」の項目があり、オンかオフかをほとんど迷わずに確かめられました。

自宅でも守るなら「常に」に切り替える
「セキュリティ継続が必要」を「常に」にすると、自宅や職場でも待機時間と生体認証が求められます。
家族にパスコードを知られている人や、職場の机にiPhoneを置いたまま席を離れがちな人は、「常に」を選ぶ価値があります。その代わり、自宅で設定を変えるときにも待たされる場面が出てくるため、手間とのバランスで選ぶのが現実的です。自動ロックが提供されるかどうか分からない今は、今ある仕組みを確実にオンにしておくことが、いちばん手軽な備えになります。
Photo: techradar

