
米国で初代iPhoneが携帯回線で通信不可に〜2G回線が終了

2007年発売の初代iPhoneが、米国で携帯電話回線を利用できなくなった模様です。米国内で唯一2G回線を引き続き提供していたT-Mobileが、現地時間8月3日に2G GSMネットワークの提供を終了したためです。
T-Mobileは、古い端末やIoT機器などの移行期間を確保するため、競合他社より長く2Gを維持してきました。むしろ、初代iPhoneの発売から19年が経過した2026年まで2G回線が生きていたという事実に驚くばかりです。
初代iPhoneユーザーはほとんどいなかったはずだが?
米国で2G回線の提供が終了したことで、初代iPhoneは携帯電話として使用できなくなりました。もっとも、よほどの物好きでない限り、2026年に初代iPhoneを現役の携帯電話として使用していた人はほぼ皆無だったと推測できます。
初代iPhoneは未開封品が骨董品のような扱いとなっており、特に未開封の4GBモデルは希少性が高く、オークションで何度も高値をつけています。
古いiPhoneを使用している人がいたとしても、おそらくiPhone4あたりまでではないでしょうか。iPhone4については、カメラの粒子感が「エモい」としてZ世代から人気を集めているとの報道もあります。
ただし、その多くはカメラとしての利用とみられ、iPhone4だけをメインの携帯電話として使用している人は、ほぼ皆無なのではないでしょうか。
初代iPhoneはなぜ2Gにしか対応していなかった?
現在の感覚では意外ですが、2007年に登場した初代iPhoneは3Gに対応しておらず、携帯電話回線でのデータ通信には2GのEDGEを利用していました。
当時すでに3G対応端末は存在しており、発売当初から初代iPhoneの通信速度の遅さを指摘する声もありました。
一方、当時の3G対応チップは現在より消費電力が大きく、端末内部で必要になるスペースも大きかったとされています。Appleは初代iPhoneでバッテリー駆動時間も重視しており、発売直前には最大8時間の連続通話が可能であることを大きくアピールしていました。
初代iPhoneが3GではなくEDGEを採用した背景には、当時の通信技術とバッテリー駆動時間とのバランスがあったと考えられます。
わずか1年後にはiPhone 3Gが登場
Appleは初代iPhoneの発売から約1年後となる2008年7月、後継モデルのiPhone 3Gを発売しました。
その名称からもわかるように、最大の特徴の一つが3G通信への対応でした。Appleは発表時、初代iPhoneと比べて通信速度が最大2倍になると説明しています。
さらにGPSも内蔵され、日本を含む世界22カ国で発売されました。初代iPhoneが米国など一部地域を中心に展開されたのに対し、iPhone 3GはiPhoneが世界的なスマートフォンへと成長する大きな転換点になったモデルともいえます。
それから18年が経ち、初代iPhoneが依存していた2G回線そのものが米国から姿を消すことになりました。今回のT-Mobileによる2G終了は、一つの通信規格の終了であると同時に、初代iPhoneが「携帯電話」として役目を終える象徴的な出来事ともいえそうです。
日本では2Gは2012年に提供終了済み
日本国内では、2G回線は2012年にすべて提供を終了しています。
最後まで2Gサービスを提供していたNTTドコモは、2012年3月31日に「mova」と「DoPa」のサービスを終了しました。
3Gについても、最後までサービスを提供していたNTTドコモが2026年3月31日をもって「FOMA」を終了したことで、日本国内の主要キャリアによる3Gサービスはすべて終了しています。
米国では2026年まで2Gが残っていた一方、日本ではすでに4Gと5Gが携帯電話回線の中心です。初代iPhoneが登場した2007年から約19年の間に、通信環境が大きく変わったことを実感させる出来事といえるでしょう。
