Apple、次世代Siriへ方針転換?OpenAIとAnthropicと提携を検討

Appleが、次世代Siriのトレーニングのため、OpenAIやAnthropicとの提携を検討している模様です。Appleのプライベートクラウド上で動作させることでユーザーのプライバシーを保護しつつ、性能向上を狙っているようです。
次世代Siriの強化にOpenAIとAnthropicをテスト
Appleが、ChatGPTを開発したOpenAI、Claudeを開発したAnthropicの両社と、次世代のSiriを学習させるために、Appleのプライベートクラウド上で動作するバージョンのテストを依頼したとBloombergが報じています。
Appleとしては、プライベートクラウド上で動作させてユーザーのプライバシーを保護するため、AWSやAzureのような他社のクラウドサービスを利用することは避けたいようです。
テスト結果はAnthropicが優秀、しかし別な問題が
テストの結果、AnthropicのモデルがOpenAIよりも優秀な結果を残したようですが、AnthropicはAppleに対して利用料金として、年間数十億ドル(数千億円)を毎年急激に増額させることを要求しているそうです。
そのため、Appleの内部ではOpenAIを採択する可能性が高まっている模様です。
実施に踏み込めば大きな方針転換
Appleは、Apple Intelligenceの導入にあたって、ユーザー情報保護のためデバイス上での処理を原則とする方針を強調していますが、それが開発の足かせになった、との指摘もあります。
仮に、OpenAIあるいはAnthropicといった外部企業に頼ることとなれば、Appleの独自開発が滞っていることを認めることとなります。
Appleが2024年6月の世界開発者会議(WWDC24)で華々しく発表したパーソナライズされたSiriは、有名女優を起用した広告動画をひっそりと取り下げ、Appleのティム・クック最高経営責任者(CEO)が遅れを認めています。海外の一部ユーザーからは、集団訴訟が提起される事態となっており、Appleとしては遅れを取り戻したい意図があるのは明確です。
なお、Appleはまだ検討の初期段階にあり、外部企業に頼るかどうかの結論には至っていないとのことです。
Source: Bloomberg