iMessageが規制されない理由は?iPhone根幹機能と深く連動

iMessage(日本では「メッセージ」)はiPhoneのデフォルトメッセージアプリです。日本のユーザーは主にLINEを使用するため、あまり馴染みがないかもしれませんが、各国政府によるスマホ規制の圧力が高まるなか、改めて注目を集めています。
iMessageを止めると、iPhoneにプッシュ通知が届かなくなる?
ロシアでFaceTimeがBANされたとのニュースが出た際、「では次はiMessageではないか」と考えたユーザーも多かったはずです。しかし現在のところ、iMessageは規制対象になっていません。
この点に疑問を呈したのが、著名ブロガーのジョン・グルーバー氏です。彼の投稿をきっかけに、あるユーザーが「iMessageの通信はiPhoneのプッシュ通知と同じエンドポイントに統合されているのでは?」と指摘し、多くの人が「なるほど」と納得しました。
というのも、もしiMessageを利用不可にすると、iPhoneへのすべてのプッシュ通知が届かなくなるためです。
iMessageを禁止することは、事実上iPhoneを禁止するのと同じ?
ロシアがiMessageを利用不可にしないのは、iMessageの遮断が事実上「iPhoneの全面禁止」に繋がるからと推察されます。
iPhoneはiOSとAndroidという二大スマホOSの一角を担う重要なインフラです。これを禁止することは、国の情報環境やユーザー環境に大きな影響を与えます。
これは、中国でiMessageが禁止されていない理由のひとつとも考えられます。
iMessageはザッカーバーグ氏からも“ライバル視”された存在
一見すると地味なメッセージアプリに見えるiMessageですが、iPhoneへ標準搭載されているためユーザー規模は非常に大きく、Metaのマーク・ザッカーバーグCEOが自社メッセージアプリのライバルとして名指ししたこともあります。
iMessageが本当に政治的圧力に強い構造を持っているとすれば、今後その価値の位置づけも変わってくるでしょう。
iPhoneの根幹機能と密接に結びついているからこそ“最強”のメッセージアプリとなっているわけですが、欧州連合(EU)のデジタル市場法(DMA)や日本政府のスマホ法では特別扱いの禁止が求められる可能性もあります。
そのため、「現時点では最強と言えるが、将来は不透明」とするのが妥当かもしれません。
Photo: Apple

