AIアプリ「Claude」、米軍への協力拒否で人気が急上昇

AnthropicのAIアプリ「Claude」が、米App Storeの無料アプリチャートで初めて1位となりました。これまで上位常連というわけではなかったアプリが急浮上した背景には、トランプ大統領の発言が関係しているとみられています。
トランプ大統領が「もう使わない」と言った途端に人気に?
Claudeは以前から一定の注目を集めていましたが、米軍によるAIツールへの“無制限のアクセス”を認めるよう求める要請を拒否したことがきっかけとなり、App Storeでトップに上り詰めたとされています。42位からの急上昇を踏まえると、非常に大きな躍進です。
トランプ大統領がソーシャルメディア上で「(Claudeを運営する)Anthropicなど必要ではないし、望んでもいないし、二度と取引しない」と発言したことで、人気に一気に火がついた可能性が指摘されています。
Anthropicが協力を拒んだ理由とは?
Claudeを運営するAnthropicは、米軍への協力を拒んだ理由について2月26日付のプレスリリースで説明しています。それによると、AIが民主主義的価値観を擁護するどころか、損なう可能性があるケースが存在するためだといいます。
具体的には、次の2点を懸念しているとのことです。
大規模な国内監視
Anthropicは、合法的な外国でのインテリジェンス活動および防諜任務におけるAI活用は支持している一方、AIを大規模な国内監視に用いることは民主主義的価値観と相容れないとして、同意していません。
完全自律型兵器
すでにウクライナなどでは部分自律型兵器が実用化されており、完全自律型兵器もいずれ国防上重要になる可能性は高いものの、現時点では十分な信頼性を備えていないとAnthropicは述べています。Anthropicはシステムの信頼性向上のため、国防総省と直接の共同研究開発を提案したものの、受け入れられなかったとのことです。
ユーザーのテクノロジー企業への意識は成熟しつつある?
今回のClaude人気の急上昇は、ユーザーが技術面だけでなく、社会的側面も考慮していることを示す事例と見ることもできます。
たとえば、アメリカがグリーンランドの領有に意欲を示したと報じられた際、デンマーク国民が米テクノロジー製品のボイコットを始めたとされるなど、倫理観が重視されていることがうかがえます。
とはいえ、簡単には抜け出せないのがテックでもある
仮にテック企業が社会的に受け入れられない行為をしていたとしても、SNSなどのプラットフォームは他のユーザーとのつながりがあるため、簡単には離れられないのが実情です。
たとえば、イーロン・マスク氏の仕草が「ナチス式敬礼を想起させる」として批判された際も、Xを中心に巨大テック企業のボイコット運動が起きた一方で、最終的にアカウントを維持せざるを得なかったユーザーも少なくなかったと考えられます。
今回のClaude人気は、アプリへのトラフィックを増やそうとするユーザー側のポジティブな動きと捉えることもできます。こうした動きは、やはり支持されるべきなのではないでしょうか。
Photo: Anthropic

