iPhoneとHuaweiスマホは共にMade in China〜両者を隔てるものとは?


 
中国ベンダーHuaweiのスマートフォンのセキュリティ上のリスクが囁かれてしばらく経ちますが、AppleのiPhoneも中国で組み立てが行われていることには違いはありません。では一体何が両者を分けるのでしょうか?

西洋諸国を中心に排除される傾向にあるHuawei

Huaweiは、SamsungやAppleと並ぶ大きなテクノロジー企業となりましたが、中国政府との結びつきが強いことが、批判の対象となっています。
 
オーストラリア政府はセキュリティ上問題があるとして、Huaweiの5Gインフラの国内での整備を禁止しました。
 
日本でも、大手キャリア3社がHuaweiとZTEを通信インフラから排除するとの報道が昨年末にありました。
 
英オックスフォード大学も、Huaweiからの新規の研究費補助や寄付を受け付けない方針であることがわかっています。
 
具体的にHuaweiの何が問題なのでしょうか?

中国企業は政府の言うことに従う?

デバイスがどの国で作られているのかよりも、企業と政府との結びつき方が問題であるとの指摘があります。
 
「中国企業と中国政府(北京)との関係は、米企業と米政府(ワシントン)との関係と根本的に異なる」、と米オーバーン大学マクキャリーサイバー・重要インフラセキュリティ研究所のディレクター、フランク・シルッフォ氏はコメントしています。
 
豪外国投資審査委員会も、中国企業は共産党のコントロールから自由ではないとの見解を示しており、「中国企業は言われた通りのことをする」との意見もあります。
 
しかしながら、Huaweiがスパイ活動を行っているという証拠はいまだ発見されていない、とサイバーセキュリティに詳しい豪大学のクリーブ・ウィリアムズ教授は述べています。「Huaweiのセキュリティ上の憂慮は、ライバルの米企業と、米インテリジェンス・コミュニティーに以前務めていた上級社員からきている」

スマホのブランドに関係なく重要人物はモニターされる

前述のウィリアムズ教授によれば、中国を含むほとんどの国々は安全保障上脅威となりうる人物のモニタリングをスマホのブランドに関係なく行えるとのことです。
 
ゆえに使用しているスマホブランドよりも、国家に興味を持たれるようなことをしているかどうかがより重要である、とオーストラリア戦略的ポリシー研究所の国際サイバーポリシーセンターのトム・ウレン氏はコメントしています。

iOSかAndroidかは大きな違い

前述のウレン氏は、iOSとAndroidは異なる哲学のもとに運営されており、iPhoneはAndroidよりもセキュリティ性が高いと主張しています。
 
「デバイス製造者がスパイ行為を行いたい場合、ハードウェア上で行うというのは考えにくい」、とウレン氏は述べています。
 
Androidは安価な価格と引き換えにプライバシーを犠牲にしているとの意見もあります。
 
 
Source:ABC
Photo:Andri Koolme/Flickr
(lexi)

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この記事を書いた人

ARラボ出身の猫愛好家。往年のMacユーザーで、iPhone使用歴は10年以上。

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