米司法省とFBIもiPhoneロック解除ツール「GrayKey」購入か

graykey grayshift fbi

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もう犯罪者のプライバシー尊重が議論になることもないのでしょうか。iPhoneをロック解除できるツール「GrayKey」を、アメリカの司法省とFBIが購入していたことが分かりました。

州警察の購入先と同じ電話番号

ニュースサイトMOTHERBOARDによると、米司法省が15,000ドル(約157万円)のオーダーをGrayShiftに行っていたことが分かりました。このGrayShiftは、元Appleのエンジニアが携わる企業で、iPhone Xを含む最新のiPhoneをロック解除できてしまう「GrayKey」と呼ばれるツールを提供しています。
 
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政府が公開しているリストには「コンピューターおよびコンピューターの周辺機器」としか記載されていないものの、記されているベンダーの電話番号は、先日インディアナ州警察が購入した際に記載されていたものと同じであることから、GrayShiftへ発注が行われた蓋然性は非常に高いとされています。また、15,000ドルという価格は、GrayKeyを300回使用できる権利と同額です。

揺ぐAppleの「プライバシー尊重」

iPhoneのロック解除ツールを司法省やFBIが入手したから何なのか、と思うかも知れません。
 
しかし、カリフォルニア州で発生した銃乱射事件の犯人が所有していたiPhone5cについて、「プライバシー尊重」を徹底するAppleは、iPhoneにバックドアを設けよというFBIの要請を拒否。のちに大統領となるドナルド・トランプ氏まで参戦し、アメリカのみならず世界を大きく揺るがす問題にまで発展しました。
 
当時の技術では、Appleの最新プロテクトを突破することはできず、結局FBIは約1億円をハッカーに支払って、犯人のiPhone5cを解除したと言われています。つまり、AppleのiPhoneは絶対的にと言っても過言ではないほど、プライバシーが保証されていたのです。
 
なお、今回の「GrayKey」のほか、イスラエルのCellebriteも、時を同じくしてiOS11を搭載したiPhone Xを含むすべてのiPhoneをロック解除可能だと発表しています。
 
 
Source:MOTHERBOARD
(kihachi)

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この記事を書いた人

丸みを帯びたiPhone3GSの筐体に惚れ込み、Apple信者を誓ったのも今は昔。2014年から始めたライター業がきっかけで、気づけばXiaomiやHuaweiなど中華スマホにも手を出す浮気症に。

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