【中国】予約ができない!iPhone6sのシャットダウン問題で暗躍する「ダフ屋」達

apple storeフリー素材

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一部のiPhone6sが突然シャットダウンしてしまう問題について、Appleは現在、対象の端末を無償でバッテリー交換するプログラムを実施しています。しかし、同問題の「震源地」となった中国では、Apple Storeに赴いても満足に予約がとれず、ユーザーの多くは故障した端末を手に順番を待つしかない状況が続いています。そこで活躍するのが「ダフ屋」です。

直営店でも正規サービスプロバイダでもお手上げ

中国メディアの新聞縦横は、朝一でApple Storeに訪れても予約できなかったと語る女性を紹介しています。彼女はバッテリーを交換するプログラムが開始されたのを知り、休みを特別にもらって朝早くApple Storeに並んだところ、ストアの営業が始まった10時の時点ですでに、Genius Barの予約受け付けが終了してしまっているという異様な状況に陥っていました。
 
北京の西単に位置するApple Storeで働く人物によると現在、予約の大半はバッテリー修理絡みで、基本的には営業開始と同時に「完売」してしまう状態が続いているのだそうです。もちろん予約を捌くため、修理担当スタッフは残業が日常化しているばかりでなく、他店舗でも予約が困難な状態は変わらないとのことです。
 
また、同様の修理はApple正規サービスプロバイダでも受け付けているため、先述の女性はApple Storeのスタッフからそこに行ってみるよう言われたそうですが、訪れてみると、やはり目に飛び込んできた光景は40~50人はいるかと思われる長蛇の列。「最低でも1人あたり3~4分、多くて10分前後。本当に長くて、並びたいとは思わなかった」と彼女は話します。

予約の権利を販売する「黄牛」達

直営店でも正規サービスプロバイダでもろくに修理を受け付けてくれない現状を解決するのが、中国では珍しくないダフ屋(中国語:黄牛)の存在です。
 
事実、女性がTaobaoで検索をかけると早速、あれほど取ることが難しかった予約が、いとも簡単に60元(約900円)で入手できてしまいました。地域によって価格は違いますが、大まかに60~80元(約900~1,200円)で権利を購入できるようです。
 
一体なぜこんなことが可能なのでしょうか。そもそも、Apple StoreのGenius Barを予約するためには、アカウントの設定や登録などが必要なはずで、誰もが予約を無制限に行えるわけではありません。

彼らはユーザーの味方なのか、それとも混乱を助長しているのか

ところが「黄牛」達は、名前を使いまわして予約を埋めてしまうというアイデアを考えつきます。
 
「例えば、あなたの名前で予約したことがなかったら、それを予約に使います。今日予約すると、3日後にまた予約できるので、これで1サイクル。3日に1回ですよ」。そう話すのは、“予約助手”というサイトの運営者です。彼のサイトでは、名前を1人あたり35元(約520円)で購入する一方、アカウントを60~80元(約900~1,200円)で販売しています。
 
つまり、ダフ屋を通して予約を希望するユーザーはアカウントをネット上で購入し、偽名を使ってGenius barでiPhone6sのバッテリーを交換してもらう、というわけです。窮すれば通ず、ではありますが、彼ら「黄牛」の存在がGenius Barの予約を一層困難にしていると感じるのは筆者だけでしょうか。
 
 
Source:網易科技
(kihachi)

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この記事を書いた人

丸みを帯びたiPhone3GSの筐体に惚れ込み、Apple信者を誓ったのも今は昔。2014年から始めたライター業がきっかけで、気づけばXiaomiやHuaweiなど中華スマホにも手を出す浮気症に。

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