AppleサプライヤーDialog、遠距離無線充電技術の企業と提携

AppleのサプライヤーであるDialog Semiconductorが、数メートル離れた距離からのワイヤレス充電が可能な技術を持つEnergous社と提携しました。
Energousに約12億円を出資
Energousといえば、今年2月には、Appleと独占契約を結んだという噂がありましたが、Appleのサプライヤーと提携していたことがわかりました。
Fast Companyの報道によると、パワーマネジメントIC技術を開発するDialogは11月、Energousに1,000万ドル(約11億7,400万円)を出資しました。同メディアによればこの金額はDialogのAppleとの取引額の最大75%にのぼる、とのことです。
シリコン事業すべてをDialogに移管
Dialogはウェアラブル端末やモバイル端末、IoT端末など、さまざまな製品にICを提供しています。その種類もパワーマネジメントICだけでなく、BluetoothやオーディオIC、高速充電器用ICなど多岐に渡ります。
そして今回の提携によりEnergousは、同社のシリコン事業全体をDialogに移管するとしています。つまり今後はEnergousによる技術や製品はすべてDialogブランドで提供されるということです。
Appleとの直接提携は困難だった
Dialog、Energousはいずれも提携発表においてAppleの名前は出していません。しかしEnergousがAppleに技術提供をしたいと考えているなら、Dialog傘下に入るのが最良の選択だった、とFast Companyは分析しています。
その理由として、EnergousがAppleのサプライヤーとして直接提携するには規模が小さすぎ、Appleが求める数量を供給する能力がないこと、Appleサプライヤーになるにはいくつもの条件をクリアしなければならないことなどを挙げています。
その点Dialogは、すでにAppleと信頼関係を結んでおり、供給能力も備えています。
iPhone8に遠距離ワイヤレス充電技術が搭載か
Energousは15フィート(4.5メートル)離れた場所にあるトランスミッターで、iPhoneなどを充電することができる「WattUp」という技術に取り組んでいます。Energousは、2017年第2四半期には製品への搭載を開始するとしています。
iPhone8(仮称)へのWattUp遠距離ワイヤレス充電技術の採用も、十分可能性があると見てよさそうです。
Source:Fast Company via 9to5Mac
Photo:Energous
(lunatic)