世界最大のSNSアプリWhatsApp、「政府も我々も解除できない」完全暗号化を実装

iPhoneロック解除問題でアップルとFBIとの戦いがくすぶり続けているなか、世界的なSNSアプリである「WhatsApp」が、エンドトゥエンドの暗号化を実装したことを明らかにしました。
誰も暗号化を解除できない
全世界で10億人を超えるユーザーを有する「WhatsApp」は、アップルのiMessage同様、すべてのやり取りをエンドトゥエンドの暗号化仕様にすることによって、当該ユーザー以外は誰も会話をうかがい知ることのできないシステムを搭載し、完全暗号化を完了したことを明らかにしました。
これによって、仮に政府が通信記録の提出を要求してきても、「WhatsApp」は暗号化を解除するすべを持たないので、「カカオトーク」とは異なり政府に協力することはできないことになります。
ニュースサイト9to5Macは、どちらかと言えばユーザーの情報収集に余念がないFacebookが親会社であるだけに、同アプリにこのようなセキュリティ機能が搭載されるとは考えない人間も少なくなかったとし、今回の件をもって、WhatsAppが決して親会社の軛に縛られないことも明らかとなったと述べています。
アップルとFBIのバトルが関係?
このように、ユーザーのプライバシーを尊重する姿勢を旗幟鮮明にすることは今やテクノロジー企業存続のうえで欠かせないものとなっていますが、WhatsAppがアップルとFBIとの論争を意識していることは明らかです。
iPhoneにバックドアを設けることの危険性についてアップルのティム・クックCEOが緊急声明を発した際、同アプリの開発者であるJan Koum氏は「ティム・クックのプライバシーに関するスタンスはずっと尊敬している」と述べ、「危険な先例を許してはいけない。今日この日、我々の自由(freedom and our liberty)が問題となっている」とアップルに賛成する意を示していました。
完全暗号化された新生「WhatsApp」は新たにアップデートorインストールすることで入手可能です。
※アプリの金額については記事執筆時の価格を記載しております。インストール前に、「App Store」での表示価格をご確認いただきますようお願いします。
Source:9to5Mac
(kihachi)