やっぱり1台じゃない!米政府12台ものiPhoneロック解除を要請

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米司法省がAppleに対し、iPhoneのロック解除を要請しているのは、今回の銃乱射事件に関わる1台だけでなく、その他に12台もあることが明らかになりました。

今回のケースは「特例」ではない

米司法省は、カリフォルニア州サンバナディーノ郡で起きた銃乱射事件の犯人が所持していたiPhone5cのロック解除協力をAppleに要請、Appleがこれに応えるべきか否かで世論がまっぷたつに分かれています。
 
ホワイトハウスのジョシュ・アーネスト報道官は先日、ロック解除を要求しているのは「あくまで今回の事件に関わりのある1台のみ」と強調しましたが、実際にはこの事件以前にも12台ものiPhoneについて、ロック解除とデータ提供を要請していたことがわかりました。
 
Wall Street Journalの報道によれば、12件のケースはいずれもサンバナディーノの事件と似通っており、検察側は18世紀に成立した法律「All Writs Act」(連邦裁判所が法にのっとって司法権を行使するために適切かつ必要な令状を発行する権利)をたてに、Appleに対し協力を要請しています。

わずか4カ月間で9回のロック解除要請

以前は裁判所命令に従って、AppleはiPhoneのデータを抽出、提供していました。しかしiOS8以降では暗号化の仕組みを変更、Apple自身もiOSそのもののセキュリティを変更しない限り、ユーザーがパスワードで保護したデータにアクセスできなくなりました。
 
FBIはバックドア設置を求めているのではなく、該当する1台のiPhoneのロック解除を要請しているだけと主張していますが、報道を見る限りこの事件は特例ではないようです。
 
米AppleInsiderが12件のうち9件のケースの一覧を公開していますので、以下に掲載します。これを見ると昨年10月から2月頭にかけてのわずか4カ月の間に、9回ものiPhoneロック解除要請があったことがわかります。
 

iPhone_case

9件のiPhoneロック解除要請(AppleInsider)


 
 
Source:Wall Street Journal via MacRumors
Photo:The United States Department of Justice
(lunatic)

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この記事を書いた人

元某業界新聞社の記者。その後フリーライターとして各方面で執筆、英日翻訳家としての著書も多数。2014年から本メディアでライター、編集記者として活動中。アメリカ在住(現在は日本に滞在中)。iPhone使用歴は12年以上。

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