カナダ政府、国内で販売される全携帯電話のSIMフリー化を義務付け!

カナダ スマートフォン

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カナダの通信行政当局は、すべての携帯電話を購入当初からSIMフリーにすることを決定しました。また、SIMロック解除の手数料撤廃も義務付けました。大手携帯キャリア各社は猛反発していましたが、当局は消費者保護の観点から新制度導入に踏み切りました。

今年12月から、全ての携帯電話がSIMフリーに!

日本の総務省にあたる通信行政機関である、カナダの放送通信委員会は、12月1日から販売される携帯電話は購入時点からSIMフリーにすることを義務付ける決定を下しました。
 
これにより、ユーザーは端末購入してすぐに、SIMカードを差し替えれば任意の通信事業者を利用可能となります。

SIMロック解除手数料も撤廃!

同時に、携帯キャリア各社がSIMロック解除時、利用者に請求している50カナダドル(約4,200円)のSIMロック解除手数料も撤廃されます。2016年の一年間で、利用者から徴収されたSIMロック解除手数料の総額は3,700万カナダドル(約31億円)にのぼるそうです。
 
手持ちのスマートフォンを他キャリアで使おうとすると徴収される手数料は「身代金」と呼ばれ、ユーザーから不評でした。
 
一方、Bell、Rogers、Telusの大手携帯キャリア3社は、公聴会で「SIMロック解除希望者に請求している手数料を無料にしたら、全員に費用を上乗せする必要が出る」と主張して猛反発していましたが、消費者保護を重視する政府は廃止を断行しました。

日本では最近可能になったSIMロック解除

今回の決定は、2013年に携帯電話関連の法律改正があった一連の流れによるものです。放送通信委員会は、高額な請求が生じることがないよう、ユーザーの同意がない場合、海外ローミング時の通話料が100カナダドル(約8,400円)、データローミング料金は50カナダドル(約4,200円)を上限とすることを定めています。
 
日本でも総務省の方針により、数年前までは一般的でなかったSIMロックの解除が可能になっています。カナダ政府の思い切った方針が、他国の通信行政に波及するのか、興味深いところです。
 
 
Source:CBC via The Verge
(hato)

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この記事を書いた人

2013年からライター&編集担当として活動。2007年、駐在中のシリコンバレーで発売直後の初代iPhoneに触れて惚れ込む。iPhone歴は3GS→5s→6 Plus→7 Plus→XS Max→12 Pro Max→14 Pro。

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