iPhoneロック解除装置企業「iOS12のUSB制限モードには対策済み」

GrayKey 9to5Mac
 
Appleは、iOS12ベータにiPhoneのロックから1時間後にLightning端子からのデータアクセスをブロックする「USB制限モード」を追加しています。これに対して、捜査機関などにiPhoneのロック解除装置を販売しているGrayshiftが「すでに対策を取っている」と言明していることが分かりました。

iOS12ベータに搭載の「USB制限モード」

iPhoneがロックされてから1時間以上が経過すると、Lightning端子に接続された機器とのデータ通信ができなくなる「USB制限モードが、iOS12のベータに搭載されています。
 
同様の機能は、iOS11.3ベータとiOS11.4ベータにも含まれていましたが、正式版として公開されるまでに削除されていました。
 
Appleは、USB制限モードについて「捜査機関の仕事を妨害する意図はない」としつつ「ユーザーのプライバシーを保護するため」と説明し、iOS12以降のバージョンに搭載を続ける方針を明らかにしています
 
警察などの捜査機関は、押収したiPhoneのロックを解除するためにGrayshiftCellebrite製の機器を購入していますが、捜査機関関係者の間では、USB制限モードによって捜査に影響が出ることが懸念されています。

Grayshift「すでに対策済み」と強気発言

しかし、Grayshiftは捜査機関関係者に「iOSのベータ版を解読し、USB制限モードを克服した。将来にわたって有効な対策を取っている」と説明するメールを送っていることを確認した、とMotherBoardが報じています。
 
ただし、MotherBoardは「Grayshiftのマーケティング上のハッタリという可能性もある」と指摘しています。
 
Grayshiftと並んで、iPhoneのロック解除装置で知られるCellebriteのテクノロジー担当副社長、シャハー・タル氏はTwitterで

最近の12通のメッセージのうち10通は件名に「USB制限モード」と書かれている。

と発言し、Appleの動きに対する顧客からの問い合わせが急増していることを明かしています。

iOS12正式版は今秋に公開予定

iOS12は、現在開発者向けのベータが公開されています。Appleは、6月下旬には登録ユーザー向けのパブリックベータを公開すると予告しています。
 
ベータ版が数回公開された後、秋には一般ユーザーが使える正式版が公開される予定です。

 
 
Source:MotherBoard
(hato)

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