AppleはギリギリまでiPhone Xに指紋認証の搭載を考えていた

touch id iphone
 
iPhone X(iPhone8)では、「顔認証」がロック解除やApple Payでの決済に用いられるとされています。その一方で、使われてきたTouch ID(指紋認証)は、顔認証に代わって引退するという見方が濃厚です。しかし、以前はディスプレイ内に埋め込まれる、あるいは背面や電源ボタンに移行するという観測が一般的でした。

幻に終わったディスプレイ内埋め込み

ディスプレイ内に指紋認証センサーを埋め込むという壮大なアイデアは、突然降ってわいたものではありません。もともとはSamsungが、3月に発表したGalaxy S8に搭載すると考えられていた技術でした。
 

 
マンネリを打破したい各スマートフォンベンダーはこぞって、この新技術に飛びつきましたが、当のSamsungやAppleも含め技術的課題やセキュリティ面の問題などから実現は難航。結局はVivoがプロトタイプを試験的に作ったのみで、少なくとも年内にディスプレイ内へ指紋認証センサーを埋め込んだスマートフォンは登場しないと考えられています。

Appleをきっかけに指紋認証の時代が終わる?

もっと言えば、Appleが今回、指紋認証から3D顔認証に大きく舵を切ったことで、ライバル企業も指紋認証から脱却することが考えられます。
 
というのも、顔認証が先端技術として確立されれば、いつまでも指紋認証にこだわるスマートフォンは、ユーザーにとって「時代遅れ」の代物にしか映らないからです。
 
事実、これまでiPhoneが採用してきた技術やデザイン(感圧タッチ、デュアルカメラ、ローズゴールドなど)は、Appleが発表するや否や、真っ先に他社も追随してきたという過去があります(もちろん、ベゼルレスデザインなど、逆にAppleが他社を追随しているものもあります)。

Touch IDの存続を模索していた

もう二度と、指紋認証を拝む日は来ないのでしょうか。
 
しかし、少なくともAppleはTouch IDをディスプレイ内に埋め込めないと気づき出した頃も、途中までは本気でTouch IDの搭載を模索していたのです。それは、Foxconnが内部関係者に向けたとされるスライド画像からも確認できます。
 

 
スライドには、「Cyclops(iPhone Xのコードネーム)」のデザイン認証テスト(DVT)の実施が遅れているとされ、原因が「Mesa(Touch IDのコードネーム)」を背面に再配置する問題や、防水機能が働いていない問題にある、と書かれています。
 
この写真がいつ撮影されたものかは分かりませんが、仮に本物だとした場合、少なくともどこかの時点では、真剣にTouch IDを背面に配置するプランがAppleによって想定されていたことになります。
 

 
ちなみに、上記のスライドからは、8月まで量産体制に入らないこと、当初の想定よりも5週間ほど計画が遅延していることなども読み取れます。通常であれば量産は6月に開始されているはずで、こうした事情が、iPhone Xの初期在庫の少なさに影響しているものだと思われます。
 
 
Source:AppleInsider
Photo:YouTube,Instagram(bro.king)
(kihachi)

モバイルバージョンを終了