Apple、昨年EUロビー活動に12億円超を支出

EU(欧州連合)の電子機器規制はテック業界への影響が大きく、Appleもロビー活動に多額を投じていることが分かりました。昨年の支出額は700万ユーロ(約12億5,000万円)にのぼります。なぜこれほどの資金を投下する必要があるのでしょうか。
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米巨大テック企業、EUでロビー活動を活発化
監視団体Corporate Europe Observatory(企業ヨーロッパ監視機構)が公開したデータによると、Appleは昨年700万ユーロをEUでのロビー活動に支出しました。ロビー活動とは、特定の主張を持つ個人・団体が政府の政策決定に影響を与えることを目的に行う私的な政治活動で、Appleにとっては企業戦略を円滑に進めるための規制対応・緩和の働きかけが該当します。
Appleの12億円超という額は大きいものの、テック各社の中ではMetaが1,000万ユーロで最多。MicrosoftとAmazonも各700万ユーロと報告されています。
テック上位10社の支出は他業界を上回る
EUでロビー活動を行うのはテック企業に限りませんが、テック上位10社の合計支出は4,800万ユーロで、製薬・金融・自動車の合計4,275万ユーロを上回りました。従来の主要産業に比べ、テック企業の規制対応の重要度が高まっていることを示しています。
EUがテックに与える主な影響
EUがテックに与えた主な影響の最近の代表例として、USB-Cへの統一があります。EUは電子ゴミ(e-waste)削減の一環として充電規格の統一を求め、Appleも順応しました。
さらにDMA(デジタル市場法)により、サードパーティー製アプリストアの容認を迫られ、修理のしやすさなどを示す環境ラベルの表示義務も課されています。
今後もAppleの製品・サービスを占う上で、EUの政策決定は無視できない要因であり続けるでしょう。
Photo: Apple

