Apple業績発表、iPhoneが売れない時期になぜ売上2桁増?

Appleは現地時間7月31日、2025年度第3四半期(2025年4月〜6月)の業績を発表しました。総売上高は940億ドルで前年同期比から約10%増加し、アナリスト予想を上回る好業績となりました。通常はiPhoneがあまり売れない時期にもかかわらず、iPhoneの売上高は前年同期比13.5%と大きく伸びました。米トランプ政権による関税政策が、業績のプラス方向にもマイナス方向にも影響した格好です。日本の売上高は13.4%増加しています。
1,200億円のコスト増も、iPhone売上高を伸ばしたのも、トランプ関税
Appleの2025年度第3四半期における総売上高は940億ドル(約13兆9,100億円)で、前年同期の858億ドル(約1兆2,700億円)から9.6%増加し、ウォール街のアナリストによる予想平均値である約891億ドルを約5%上回りました。
Appleは、トランプ政権の関税による輸入コスト増加分を販売価格に上乗せせずに負担しています。Appleのティム・クック最高経営責任者(CEO)は、この四半期にAppleが負担した関税コストは約8億ドル(約1,200億円)と明かしました。
2025年5月の前回業績発表時点の見込額である9億ドル(約1,300億円)より少なくなったのは、サプライチェーンの再構築の効果とみられます。特に、米国で販売するIPhoneの大半はインド製に切り替わっているとのことです。
例年、iPhoneの販売が落ち込むこの時期に、iPhone売上高が2桁増を記録した要因についてクックCEOは、トランプ関税の影響による値上がりの不安から購入時期を前倒しした顧客が多かったため売上高が押し上げられた、と語っています。
ただし、クックCEOは、次の四半期には関税コストが大幅に増加するとの見通しを語っています。
iPhoneは前年同期比13.5%増、この四半期として過去最高
2025年度第3四半期における、部門ごとの売上高と前年同期比は以下のとおりです。
iPhoneの売上高は、前年同期比で13.5%増えています。第3四半期(4月〜6月)のiPhone売上高としては史上最高額を記録しています。
- iPhone:446億ドル(約6兆6,000億円:前年同期比13.5%増)
- Mac:80億ドル(約1兆1,900億円:前年同期比14.8%増)
- iPad:66億ドル(約9,700億円:前年同期比8.1%減)
- ウェアラブル、ホーム&アクセサリー:74億ドル(約1兆円:前年同期比8.6%減)
- サービス:274億ドル(約4兆円:前年同期比13.3%増)
部門別の売上高構成比は、iPhoneの占める割合が47.4%で最も高くなっています。以下サービス(29.2%)、Mac(8.6%)、ウェアラブル、ホーム&アクセサリー(7.9%)、iPad(7.0%)と続きます。

地域別売上高:全地域で増加、日本は前年同期比13.4%増
地域別の売上高と前年同期比は以下のとおりです。
すべての地域で前年同期比プラスとなっており、日本は13.4%増で、アジア太平洋地域の20.1%増に次ぐ伸び幅となりました。
- 米州:412億ドル(約6兆円:前年同期比9.3%増)
- 欧州:240億ドル(約3兆5,500億円:前年同期比9.7%増)
- 中華圏:154億ドル(約2兆2,700億円:前年同期比4.4%増)
- 日本:58億ドル(約8,600億円:前年同期比13.4%増)
- アジア太平洋:77億ドル(約1兆1,400億円:前年同期比20.1%増)
地域別の売上高構成比は、米州が43.8%で最も高く、欧州(25.5%)、中華圏(16.3%)、アジア太平洋(8.2%)、日本(6.1%)と続いています。
