アイブ×OpenAIのAIデバイス、装着型ではなかった!

元Appleの最高デザイン責任者ジョナサン・アイブ氏がOpenAIと共同開発中のAIデバイスに関し、新たな情報が米裁判所の資料から明らかになりました。注目の製品は、インイヤー型でも、身につけるウェアラブル型でもないというのです。
商標トラブルから漏れた内部情報
この情報は、OpenAIが買収したスタートアップ「io」が、Google支援の企業「iyO」から商標侵害で訴えられた裁判の中で明らかになりました。
iyOは、“世界初のオーディオコンピュータ”と称するカスタムフィットのインイヤー型デバイスを開発中です。裁判資料には、OpenAIやioの幹部がこの製品の存在を認識しており、デモを依頼していたことを示す内部メールも含まれていました。
しかし、ioの共同創業者で元Apple幹部のタン・タン氏は、6月12日付の宣誓供述書で「ioが開発中の製品は、インイヤー型でもウェアラブルでもない」と明言しました。同氏は市場調査として複数のイヤホンや補聴器、30種類以上のヘッドホンを購入したものの、開発中の製品とは直接関係ないと述べています。
また、実際の発売は「少なくとも1年以上先」とされ、2026年後半の登場が見込まれています。
ネックレス型ではない?予測と食い違い
今回の情報は、著名アナリストのミンチー・クオ氏の「首にかけるネックレス型」との予測とも食い違っています。もともとアイブ氏は“装着型”のデザインに慎重な姿勢を取っており、こうした形状を避けた製品になる可能性が高まっています。
これまでのリークによれば、デバイスは画面がなく、ポケットに入るサイズで、周囲の状況やユーザーの行動を理解する「文脈認識型AI」とされており、従来のスマートフォンとは異なる体験が期待されています。
OpenAIのアルトマン最高経営責任者(CEO)は、試作機を自宅で使った後「世界で最もクールなテクノロジーになる」と社内で語ったと報じられています。
iPhoneに続く「第3の中核デバイス」へ
この製品は、iPhoneやMacBookに続く「第3の中核デバイス」として位置づけられており、OpenAIは1億台の出荷を目指すと宣言しています。
同社は65億ドル(約1兆円)でioを買収しており、アルトマン氏はこのプロジェクトがOpenAIの企業価値に1兆ドルを追加しうると見込んでいます。
まだ全貌は見えていませんが、AIとデザインの巨頭がタッグを組んだこのプロジェクトには、大きな注目が集まっています。
Source: MacRumors
Photo: OpenAI