iPhone修理業者、Appleから純正部品供給受ける条件に不満の声も

iPhone X iFixit

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Appleが昨年開始した、独立系iPhone修理業者に純正部品やマニュアルを供給するプログラムの契約内容が一方的だと不満の声があがっています。Appleは修理業者に立入検査を行い、非正規の部品を使用していれば罰金を科す、などの条件が定められています。

2019年8月に発表されたIRPに不満の声

Appleは2019年8月に、独立系のiPhone修理業者に対して純正の部品や修理ツール、トレーニングやマニュアルを提供するIndependent Repair Provider Program(IRP:独立系修理プロバイダプログラム)を開始すると発表しました。
 
Apple StoreやApple正規サービスプロバイダがない地域でも、正規部品を使ってiPhoneの修理が受けられる同プログラムですが、独立系修理業者からは、Appleから要求される契約内容が一方的だ、と不満の声があがっているとMotherboardが報じています。

抜き打ち検査、脱退しても5年間は対象に

Motherboardが入手した契約書には、Appleは修理業者の店舗に予告なく立入検査を行って非正規の部品を使用していないか調査することができ、仮に非正規の部品が使用されていた場合は罰金を科すことができる、などの条文が含まれています。
 
また、修理業者がIRPから脱退した場合も、脱退後最大5年間はAppleによる立入検査の対象となる、とも記されています。

ユーザーにも求められる書面での同意

Appleとの契約は、修理業者を利用するユーザーにも及んでおり、修理業者はユーザーから「修理を受けるのがApple正規サービスプロバイダではないことを了解した」旨を書面で同意することが義務付けられています。
 
Motherboardが取材した修理業者の中には、Appleから要求される条件を呑めないとしてIRPへの加入を取りやめる業者がある一方、Appleから正規のパーツを入手できる利点を重視してIRPに加入する業者もあります。

Appleは「フィードバックを受け資料を更新する」と説明

MotherboardはAppleに対して、契約内容の詳細について説明を求めましたが、Appleから得られた以下のコメントでは、契約内容については触れられていません。
 

Appleは、お客様に安全で信頼できる修理を受けられる機会と場所をより多く提供する努力をしています。
 
IRPは、修理業者が規模を問わず、一般的なiPhone修理に必要とされる正規のパーツ、トレーニング、ツールを利用する機会を提供するものです。プログラム開始当初の反応の大きさと関心の高さを私たちは喜ばしく思っています。
 
私たちは、プログラムに関心を持つ方々と緊密に連携し、フィードバックを受けとめて資料を更新していきたいと考えています

 
 
Source:Motherboard via 9to5Mac
Photo:iFixit
(hato)

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この記事を書いた人

2013年からライター&編集担当として活動。2007年、駐在中のシリコンバレーで発売直後の初代iPhoneに触れて惚れ込む。iPhone歴は3GS→5s→6 Plus→7 Plus→XS Max→12 Pro Max→14 Pro。

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