M1チップの詳細な解析が進行中~Appleシリコン搭載MacでほかのOSが動作?

M1チップの画像
 
AppleはArmアーキテクチャの独自チップであるM1チップを開発し、Macに搭載しています。
 
M1チップは優れた性能と低消費電力性を示していますが、仕様が公開されておらず、M1チップを搭載したMac上で動作するほかのOSの開発が難しい状況です。
 
これに対して、M1チップを詳細に解析し、ほかのOSを動作させようとする試みがおこなわれています

Quick Timeの開発者が350ページに及ぶ文書を公開

半導体チップについて、仕様から設計を作るのではなく、設計から仕様を作る行為はリバースエンジニアリングと呼ばれます。
 
AppleのM1チップについてリバースエンジニアリングを行い、詳細な仕様を説明した文書がAppleのQuick Timeを開発した開発者の一人であるメイナード・ハンドリー氏によって公開されました
 
現在のバージョンは0.70であり、M1チップがほかのさまざまなOSに対応できるようになるまでにはまだ何度も改定が必要な状況です。
 
半導体チップのリバースエンジニアリングには一般に非常に長い時間がかかり、トランジスタ数が膨大なM1チップであればなおさらです。
 
チームメンバーは診断や性能テスト、何度も試行錯誤を繰り返し、数え切れないほどの障害にぶつかり、自然とフラストレーションを感じていたといいます。
 
この文書はバージョン0.70の段階で350ページに及んでおり、苦労がしのばれます。

macOS以外のOSがAppleシリコン搭載Macで動作可能に?

AppleはM1チップの後継であるM1XM2を開発中といわれており、今後もAppleシリコンと呼ばれる独自チップをMacに搭載する計画です。
 
M1チップのリバースエンジニアリングに成功すれば、M1チップ上でLinuxなどのmacOS以外のOSが動作させられるようになりますし、M1チップと互換性を持つであろう将来のAppleシリコンについても同様のことが期待できます。
 
また、理論的には、Intelのx86アーキテクチャの互換チップをAMDが開発しているように、Appleシリコンの互換チップを開発することも不可能ではありません。
 
ただし、Intelはx86アーキテクチャの互換チップについて過去に何度も訴訟を起こしており、Appleシリコンの互換チップについてAppleが同様のことをおこなう可能性は高いと思われます。

 
 
Source:M1 Exploration – v 0.70 via Wccftech
(ハウザー)

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