Appleは、これまで許可していなかったアプリ外での購入ページへのリンクを、「リーダー」アプリに限って認める変更を発表しました。この変更に対して、一部の開発者からは「不十分だ」と不満の声があがっています。
アプリ外部の購入ページへのリンクを許可
Appleは9月2日、日本の公正取引委員会による調査が終了し、「リーダー」と呼ばれる、電子書籍、雑誌、音楽や映像などのコンテンツ配信やサブスクリプションサービスを提供するアプリで、App Store以外のWebサイトへのリンク設置を認めると発表し、新たなガイドラインを2022年初めに設けると発表しました。
この変更により、AmazonのKindleアプリで読むための電子書籍の購入や、NetflixやSpotifyのサブスクリプション登録などが、アプリからのリンクで完結するメリットがあります。
一部の開発者から不満の声も
しかし、一部のアプリ開発者からは、Appleによる変更は開発者やユーザーにとって十分なものではない、と以下のような声があがっている、と米メディアMacRumorsが紹介しています。
- リンクへの説明:Appleは、開発者がリンクの近くに「こちらから購入したほうが安いです」のような誘導文を記載することを認めない方針のようです。開発者にもユーザーにもメリットがないとの批判があります。
- リンクの数:外部へのリンクは1つに制限するのは、不十分との指摘があります。
- 大企業優遇:「リーダー」アプリを提供しているのはAmazon、Netflix、Disney、Spotifyなどの大企業が中心で、今回の変更は大企業への補助金のようなもので、小規模な開発者にはメリットがないとの声もあります。
- 小規模開発者は不利:自前の決済システムを持てない小規模な開発者は、15%〜30%の手数料がかかるApp Storeに頼らなくてはならないことへの批判があります。
Appleは、最近、中小規模アプリ開発者への手数料引き下げプログラムの3年間継続などの変更も発表しています。
Source:MacRumors
(hato)