Apple共同創業者のウォズニアック氏、「プライバシーがないのは人間的ではない」

スティーブ・ウォズニアック
 
Appleの共同創業者で、テクノロジー業界のご意見番としても知られるスティーブ・ウォズニアック氏は、オーストリア・ウィーンで5月16〜18日に開催された開発者会議「WeAreDevelopers(私たちはデベロッパ)」で登壇し、テック企業の現在の姿についての意見を述べました。

テクノロジーのあり方に不満のウォズニアック氏

Facebookがユーザーデータを不適当に扱ったスキャンダルについて意見を求められたウォズニアック氏は、現在のテクノロジーのあり方について不満であることを明らかにしました。
 
「テクノロジーが間違った方向に行ってしまうとき、最もイライラする」と語ったウォズニアック氏は、テクノロジーはまずそれを使用する人間が念頭に置かれる必要があると述べ、「コンピュータを使いやすいものにしたAppleのような企業では、テクノロジーよりもユーザーが常に重要だと考えている」と、Appleの姿勢を称賛しました。
 
またユーザーのプライバシーに関して、誰にも聞かれない秘密の会話のようなものは、ずいぶん前から難しくなっているとウォズニアック氏は独自の意見を述べました。同氏は「プライバシーは失われ、乱用されている」と語り、プライバシー保護に限界があることについて嘆きました。
 
ウォズニアック氏は4月の初旬にすでにFacebookを退会しており、Eメールとテキストメッセージでコミュニケーションを行う方針であることを公にしています。

データ・シェアリングに反対もTeslaは大好き

ドイツのアンジェラ・メルケル首相が先週、人工知能(AI)の発展のためには多くのユーザーデータが必要であり、チャンスを見逃すべきではないと、高まるユーザーデータ保護の気運に対して懸念を示しましたが、そのことについて質問されたウォズニアック氏は、「メルケル首相はAIを取り違えている」と述べ、AI発展のために必ずしも大量のユーザーデータの共有が必要でないと主張しました。
 
テック企業によるデータ・シェアリングに反対の意見を述べたウォズニアック氏ですが、データ収集を軸として電気自動車の製作を行なうTeslaについて質問されると、「Teslaはかなり気に入っている」と、ガソリンスタンドにまったく行く必要がないことの利便性を評価し、今後ガソリン車を運転するつもりがないと述べました。
 
 
Source:Business Insider
Photo:Gage Skidmore/Flickr
(lexi)

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