Appleが、NANDフラッシュメモリの調達先となるサプライヤーを増やすことを計画していると、サプライチェーン関連情報として報じられました。
今回名前が挙がったサプライヤーは、2022年にもiPhone向けNANDフラッシュメモリの新規供給先として取り沙汰されていた企業です。調達先の拡大は、部材確保の安定化だけでなく、将来的な価格維持にもつながる可能性があります。
中国YMTCがNANDフラッシュメモリを新たに供給する見込み
Appleが新たなNANDフラッシュメモリの調達先として契約締結を検討しているのは、中国のYangtze Memory Technologies(YMTC)です。
AppleがYMTCとiPhone向けNANDフラッシュメモリの供給で合意した場合、中国向けモデルに搭載される可能性があります。
中国市場向けに限定した供給となる可能性
現時点の情報では、YMTC製NANDフラッシュメモリは、中国向けに設計・製造されるiPhoneに限定して採用される可能性があるとみられています。この点が実現すれば、供給地域を限定しながら調達先を増やす形になります。
2022年に禁輸措置の対象となったYMTC
YMTC製NANDフラッシュメモリは、2022年にiPhone14に搭載されるとの見方が一時強まっていました。
しかしその後、米商務省産業安全保障局(BIS)がYMTCをエンティティリスト(禁輸措置対象のリスト)に追加したことで、この計画は実現しませんでした。
過去には供給実現直前まで進んでいたとの見方も
当時はAppleが新たな調達先としてYMTCを活用する可能性が高いとされていましたが、米国の規制強化によって状況が変わりました。今回再びYMTCの名前が浮上したことは注目に値します。
中国向けiPhoneに限定することで課題を回避する可能性
今回の情報では、「中国向けに設計・製造されるiPhoneにのみ搭載」とされており、2022年のような問題を避けながら実現に向けた協議が進められている可能性があります。
地域限定であれば実務面の柔軟性も高まるか
供給対象を中国市場向けに限定することで、Appleとしては調達の選択肢を増やしつつ、規制や政治的リスクへの対応もしやすくなる可能性があります。全面採用ではなく一部市場向けに絞る形であれば、現実的な落としどころと見ることもできそうです。
必要数量の確保と価格交渉でAppleが有利に
中国向けiPhoneだけであってもYMTC製NANDフラッシュメモリを採用できれば、Appleは調達先の増加によって必要な数量を確保しやすくなります。
加えて、価格が高騰しやすい状況下では、既存サプライヤーとの価格交渉においてもAppleが有利になる可能性があります。
価格維持を支える現実的な一手となるか
NANDフラッシュメモリは、ストレージ構成に直結する重要部材です。調達先を増やすことができれば、単純な供給リスクの分散だけでなく、部材コストの上昇圧力を抑える効果も期待できます。その結果として、iPhone18 Proシリーズの価格維持につながる可能性もありそうです。
SamsungやSK Hynixの受注数が減少する可能性
中国市場ではスマートフォン販売の伸びが鈍化しつつある一方で、iPhone17の販売台数増加によってAppleの市場シェアが拡大したと報じられていました。
この流れが続けば、今秋発売見込みのiPhone18 Proシリーズや、来春登場が予想されるiPhone18も、安定した販売台数を確保することが期待されます。
中国向け限定でも影響は小さくない
たとえ中国向けモデルに限定された採用であっても、YMTC製NANDフラッシュメモリが実際に搭載されれば、SamsungやSK Hynixの受注数が減少する可能性があります。Apple向け部材供給は数量規模が大きいため、一部地域向けの採用でも競争環境への影響は無視できません。
AppleがNANDフラッシュメモリの調達先としてYMTCを加えることができれば、供給の安定化と価格交渉力の向上という2つの効果が期待できます。とりわけ、中国向けモデルに限定した採用であれば、過去の課題を回避しながら現実的に導入を進められる可能性があります。
Photo:Apple Hub/Facebook
