「高額な最新iPhoneが売れない」夏以降の割引禁止で販売価格は一層上昇へ

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新型iPhoneなど高額なスマートフォンの売れ行きが鈍っており、法改正で夏に端末代金と通信料金の完全分離が義務化されると、端末はさらに売れなくなることが見込まれます。

iPhone XSの販売台数はiPhone7の3分の1

家電量販店などの販売データ集計に強い調査会社BCNによると、2018年秋に発売されたiPhone XSの発売後3カ月間の販売台数は、2016年に発売されたiPhone7に比べて66%も減少しており、iPhone XRも同様に51%減少している、と日本経済新聞が報じています。
 
この傾向は、Samsungの旗艦モデル、Galaxy Note 9も同様で、2013年のモデルGalaxy Note 3と比べて販売が63%も減少しているそうです。
 
価格上昇に見合った目新しい新機能がないと評価し、高額な最新モデルに手を出さない消費者が増えているのがその原因とみられます。

積み上がる最新モデルの在庫

販売価格が10万円以上へと上がったことで、最新モデルへの買い替え需要が冷え込んでおり、大手代理店の幹部は日本経済新聞に「店舗に在庫が積み上がっている」と明かしています。
 
販売現場では、1世代前のiPhone8のほうが売れており、iPhone8の在庫は切れつつある一方で、最新モデルは値引きオプションをつけて売っているそうで、売れ筋が最新モデルと旧モデルとで完全に逆転してしまっているようです。
 
大手キャリアも最新モデルの販売に力を入れています。NTTドコモは、発売からわずか1カ月後にiPhone XRの販売価格を引き下げたほか、ソフトバンクもiPhone XRの値下げを行っています。

夏には「端末代金と通信料金の完全分離」義務化、セット割は禁止

政府は3月5日、電気通信事業法の改正案を閣議決定し、改正法はこの夏にも施行される見込みです。
 
改正案では、これまで主流だった、2年間など期間を定めた契約を結ぶのを条件に、新型iPhoneなど高価なスマートフォンを割引販売する「セット割引」を禁止しており、端末は定価販売が主流になると考えられています。
 
同法施行後は、スマホの販売台数は2〜3割減少し、販売の中心は5万円前後のモデルになる、とも予測されています。

今後は中古端末や格安SIMの利用者が増加か

今後は、旧型モデルを中古で購入し、格安SIMと組み合わせることで低価格で使うユーザーが増える可能性があります。
 
先日、NTTドコモが中古端末のSIMロック解除に対応しているほか、中古端末の販売・買取を行う企業の業界団体が、消費者が安心して中古端末を売買できるよう、端末の格付け基準などを定めたガイドラインを公表しています。
 
 
Source:日本経済新聞
(hato)

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