Apple Pay幹部、「決済業界を揺るがすつもりはない」


 
AppleのApple Pay部門のヴァイス・プレジデント、ジェニファー・ベイリー氏は米雑誌Fortuneのインタビューに答え、Apple Payのこれまでの軌跡と今後の進展について語りました。

これまでの製品へのアプローチはApple Payに適さない?

現地時間の25日、米シカゴで催されたカンファレスで登壇したApple Payを率いるベイリー氏によれば、Apple Payは当初、既存の決済方法と協力して魅力的なサービスを届けることを念頭に置いていた、とのことです。
 
「Apple Payのことを考えたとき、すでに私たちの顧客が愛し、信頼する多くの決済方法があることに気づいた」と、ベイリー氏は語ります。「どの業界に食い入るかを考えるのではなく、どんな顧客体験を作ることができるかを考えていた」と、同氏は続けます。
 
AppleはこれまでiPhoneやMac、iTunesなどで既成の業界に鋭く切り込んできましたが、これまでのアプローチをApple Payには適用できない、とベイリー氏は見ています。
 
もしApple Payがクレジットカードの代わりのようなものになり、事実上の金融機関となってしまうと、厳しい政府の監督下に置かれることとなります。ベイリー氏いわく、Appleはそのような状況は避けたいと考えているようです。

拡がるApple Payのサービス領域

Appleはデューク大学、オクラホマ大学、アラバマ大学で学生IDカードの新たな管理システムを導入する見込みです。決済機能とNFC(近距離無線通信)を兼ね揃えたシステムで、学生はiPhoneやApple Watchを使って大学内の店舗や学食で支払いを済ませたり、寮へのアクセスが可能になるとされています。
 
Appleはこのアクセスの側面をApple Payで特に重視しており、ホテルなどでのシステム導入もすでに行われています。Appleの新キャンパスApple Parkではすでに従業員たちがゲートの開閉に同様のシステムを利用していることがわかっています。
 
StarwoodホテルやHiltonホテルでiPhoneやApple Watch対応のホテルキーが2014年に導入されていますが、システム実装はNFCではなく、Bluetooth Low Energyプロトコルによるものです。
 
Apple Payの公共交通機関でのサービス拡大も進んでおり、日本では2016年にJR東日本がApple Pay版モバイルSuicaを採用しています。
 
 
Source:AppleInsider
(lexi)

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