iFixit、シリコン膜が追加された第3世代バタフライキーボードで実験

バタフライキーボード
 
発売されたばかりの新型MacBook Proが搭載する第3世代バタフライキーボードには、ゴミやホコリの侵入を防ぐ目的でシリコン製の薄膜が追加されたことが判明していますが、実際にどの程度効果があるのでしょうか。iFixitが実験、結果を報告しています。

パウダー状の発光塗料で実験


 
新型MacBook Proの第3世代バタフライキーボードは、iFixitの分解レポートから、キーキャップの下に薄い膜が追加されていることがわかりました。この膜はゴミやホコリの侵入を防ぐのが目的であると推測されていましたが、Appleが正規サービスプロバイダに配布した内部文書から、推測が正しかったことが証明されています。
 
ではこの新しいシリコン製の膜は、どこまでゴミやホコリを防ぐことができるのでしょうか。
 
iFixitはパウダー状の発光塗料を、キーボードの上に振りまきました。発光するようにしたのは、粉がどこにあるかを明確にするためです。
 
新型MacBook Proのキーボードでは、粉は膜の縁にたまり、内部には侵入しませんでした。同様のテストを2017年版MacBook Proで行ったところ、すぐに粉が中に入り込んでいくのがわかりました。
 
次に大量に粉をふりかけてから、力を込めてタイピングを行うと、粉は徐々に薄膜の下に入っていきました。薄膜に空いている穴から粉が侵入したようです。膜で覆われたキャップ本体には粉は付着しませんでしたが、膜を追加しても、ホコリやゴミの侵入を完全には防げないことがわかりました。実際、キーボードに砂をかけてタイピングしたところ、反応しなくなったそうです。

シリコン膜はキーボード全体を覆う1枚のシートだった


 
iFixitはホコリとゴミの侵入実験に次いで、第3世代バタフライキーボードをアルミニウムケースからはがしたところ、透明のシリコンシートが現れました。薄い膜はキーボード全体を覆う「1枚」のシートだったのです。
 
分解の結果、キーボードのキーキャップのデザインも若干変更されていることがわかりました。2017年版MacBook Proのキーキャップの厚みは1.5ミリでしたが、2018年版では1.25ミリになっていました。iFixitは、シリコンの薄膜を追加するために薄くしたのではないかと推測しています。
 
また以前のモデルと比べ、2018年版ではキーキャップがバタフライ構造から簡単に分離できるようになっていました。特にスペースバーキーは簡単に外すことができる、とiFixitは説明しています。それ以前のキーボードでは強引に剥がすしかなく、分離はほとんど不可能です。
 
結論をいえば、2018年型MacBook Proのキーボードは、以前のモデルよりはホコリやゴミを防げるようになってはいるものの、完全ではない、ということでしょう。

 
 
Source:iFixit via MacRumors
(lunatic)

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