TencentのCEO、ZTEの注意喚起を受け中国のチップ産業を推し進めると宣言


 
中国最大規模のメッセンジャーアプリWeChat(微信)を提供するIT大手のTencentは、中国ベンダーZTEが米商務省の制裁により米企業から技術を買うことができなくなり営業停止に追い込まれた問題を受け、自国産チップの開発をより積極的に推し進めていくことを明らかにしました。

他国への依存を減らすため自国製チップ生産を推進

Tencentの董事会(とうじかい)主席兼最高経営責任者(CEO)のポニー・マー氏は26日、中国・深センで催されたフォーラムにおいて、「最近のZTEの事件は、どれだけモバイル決済で先んじていても、スマートフォンとチップ、オペレーションシステムがなければ競争できないことを鮮明に気づかせてくれた」と述べました。
 
「ZTEの状況は解消される方向に向かいつつあるが、警戒を怠らず、基礎的な科学研究に焦点を当てたほうがよい」とマー氏は続けました。
 
ZTEは米国の経済制裁を無視して、北朝鮮とイランに米企業の技術が使用されたデバイスを出荷したとされています。米商務省が米企業に対してZTEへと技術提供を行なわないよう命令したことにより、デバイスの25〜30%の部品が使用できなくなり、工場などを含めるすべての営業活動の停止に追い込まれました。
 
米トランプ大統領は、160カ国で事業を展開するZTEが営業が再開できない場合、74,000もの雇用が失われることを危惧し、ZTEが迅速に営業再開できるよう努めると宣言しましたが、そもそもZTEへの制裁自体がトランプ大統領の鶴の一声で進められたといわれており、錯綜した状況が続いています。
 
米政権は25日、ZTEが130億ドル(約1.42兆円)の罰金を支払い、経営体制を変更すればZTEが営業再開できるよう手助けをするとの声明を発表しましたが、ZTEがこの取引に応じるかどうかはまだ定かではありません。
 
Tencentは自社の巨大なデータ需要を活用し、中国国内のチップサプライヤーがより良い解決策を見つけられよう促したり、WeChatプラットフォームを使って中国製チップを基礎としたアプリケーション開発のサポートを行なうとのことです。
 
 
Source:Reuters
Photo:Wikimedia Commons
(lexi)

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