iPhoneの有機EL需要で新潟のキヤノン子会社が製造装置を増産

キヤノントッキ OLED製造装置
 
2017年発売のiPhone8(仮称)は3モデル展開で、うち少なくとも1モデルは有機EL(OLED)を搭載するとされています。
 
それに伴うOLEDの需要増大を見込み、OLED製造装置の需要も増大している、とBloombergが伝えています。

世界各国から製造装置の注文が相次ぐ

OLEDの製造装置メーカーである、新潟を拠点とするキヤノン子会社のキヤノントッキには、現在世界各国のディスプレイメーカーから注文が相次いでいます。
 
同社の会長兼最高経営責任者(CEO)を務める津上晃寿氏はBloombergに対し、「需要は3年は続く。当社の生産キャパシティーが問題で納入ができない状況は、早く解消するよう来年も増強を進めていく」と述べており、2017年も生産能力を拡大する計画を明らかにしました。

2016年の生産能力、前年比で倍増

OLEDは次期iPhoneだけでなく、すでにSamsung、中国のOPPOやVivoなどが自社スマートフォンに搭載しており、将来的には現在の液晶ディスプレイ(LED)を置き換えると言われています。ここで鍵を握るのがOLED製造装置であり、量産化の実績を持つキヤノントッキの製品に、注目が集まっているようです。
 
同社によれば、Appleの意向を受けて2015年末から注文が急増、2016年の生産能力を前年比で倍増させました。2017年のさらなる増産へ向け、キヤノングループから不足している従業員の派遣を受け入れているほか、新規採用を行っているとのことです。
 
キヤノントッキは生産能力を明らかにしていませんが、関係者によれば、2016年は製造装置10ライン未満を生産できるまで増強した模様です。

1993年から有機EL装置手がける

キヤノントッキは1993年から有機EL製造装置を手がけており、Samsungだけでなくシャープやジャパンディスプレイなど、「有機ELを事業化しようとしたメーカーほとんどと付き合いがある」と津上晃寿CEOは述べています。
 
 
Source:Bloomberg
Photo:キヤノントッキ
(lunatic)

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