Intelが2028年モデルのiPhone向けにAシリーズチップを製造する可能性があると、GF Securitiesのアナリストであるジェフ・プー氏が報告しています。
製造プロセスには、Intelが開発を進める14A(14オングストローム)プロセスが採用されるとみられています。
Intelが担当するのは「基本チップ」か
プー氏によれば、Intelが受託する可能性が高いのは、iPhone向けAシリーズの中でも“基本チップ”と位置づけられるモデルです。
たとえば現行世代では、
・iPhone17 Proシリーズ → A19 Pro
・iPhone Air → A19 Pro
・iPhone17 → A19(基本チップ)
と明確に分かれており、この“Pro”が付かない標準のAシリーズがIntelの担当範囲になると考えられます。
Proチップは引き続きTSMCが製造か
基本チップの製造がIntelに移行したとしても、ProチップはTSMCが継続担当すると見られています。
Appleとしては、まず製造難易度が相対的に低い基本チップでIntelの歩留まり(良品率)や供給体制を評価し、その結果によって将来的により複雑なProチップの委託を検討するためのステップと位置付けられます。
Mシリーズでも同様の分業体制に
Intelはすでに2027年からMシリーズチップ(Mac向け)の“基本チップ”を18Aプロセスで製造する契約を締結したと報じられています。
このケースでも、
・M Pro
・M Max
・M Ultra
などの大型チップは引き続きTSMCが製造する見込みです。
Apple内部では、プロセッサの種類ごとに“製造難度”と“出荷数量”を基準にして、IntelとTSMCの役割を明確に分ける戦略が進められていると推察できます。
Aシリーズの製造委託は、Mシリーズの成否が鍵に
iPhoneはMacよりはるかに出荷台数が多いため、Aシリーズの製造を外部に委託するには非常に高い安定供給が求められます。
そのためAppleは、
- 2027年:Mシリーズ基本チップをIntel製造でテスト
- 2028年:評価が良ければAシリーズ基本チップもIntelへ拡大
という段階的アプローチを取っていると考えられます。
したがって、2027年に開始されるIntel製Mシリーズチップの量産が順調に進まなければ、2028年に予定されるAシリーズのIntel委託は延期または白紙化される可能性もあります。
Appleが複数ファウンドリでの生産体制を志向しているのは、地政学リスクの分散だけでなく、TSMCへの依存度を下げることで交渉力を高める狙いもあると指摘されています。
Source:MacRumors
