Appleの次世代CarPlay、自動車業界で巨大な収益源となる可能性

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6月に開催された世界開発者会議(WWDC22)では、Appleの次世代CarPlayの概要が発表されました。2023年後半から市場に登場するこのCarPlayが、Appleの新たな巨大収益源となる可能性があります。

成長著しい自動車ソフトウェア市場

Appleは先日開催したWWDC22で、次世代CarPlayのイメージを公開しました。iPhoneと連携する近未来的なデザインだけでなく、Benzや日産、ホンダ、Audiといった対応メーカーも複数発表されました。
 
Apple Carを引き合いに出すまでもなく、Appleが自動車産業に本格的な進出を計画していることは明らかでしょう。
 
近年、自動車業界内でソフトウェア市場は“金のなる木”として注目を集めています。General Motorsは車載サブスクリプションで年間20億ドル(約2,700億円)の収益を上げていますし、Teslaも月199ドル(約2.7万円)の運転支援サブスクリプションを始めたばかりです。
 
コンサルティング企業のMcKinseyは、同市場が2030年まで年9%と、自動車市場を上回る勢いで成長し、ソフトウェア売上が年500億ドル(約6.8兆円)に達すると見込んでいます。

Androidへの乗り換えが減少する?

Appleでエンジニアリングマネージャーを務めるエミリー・シュバート氏は、米国では新車の98%(2021年5月時点では80%)にCarPlayが搭載されていると述べています。
 
また、McKinseyのアナリストが「何もすることがない車内で、人間の1時間が持つ価値とは何だろうか」と述べるように、米国で自動車の購入を検討している消費者のうち79%が、CarPlayに対応していない車は購入しないとの調査も登場しています。
 
こうした状況を追い風に、AppleがiPhoneとの連携を強化したCarPlayをリリースすればどうなるでしょうか。
 
消費者はこれまで以上にAppleのエコシステムに組み込まれる形となり、Androidへの乗り換えは一層減少するでしょう。さらにApp StoreでCarPlay向けアプリを展開すれば、iOS同様に手数料を得ることが可能です。
 
自動車業界としては悩ましいところです。というのも、CarPlayがこれだけ人気ならば勝ち馬に乗らない手はありません。しかし、これは本来自分たちが独自に開発したシステムで得ていたではずであろう利益を、Appleと折半することも意味します。
 
ただ、CNBCはAppleのことを「自動車業界での“トロイの木馬”になりうる」と評していますが、少なくともトロイの歴史のように、自動車業界はAppleを手放しで迎え入れることも、城内に招き入れた結果滅亡することもないでしょう。
 
 
Source:CNBC
(kihachi)

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