AirTagに搭載されたチップを、半導体分析企業が解説〜部品単価から試算した原価は?

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半導体分析企業であるTechInsightsが、AirTagに搭載された主要な半導体の仕様などを解説しています。また、搭載されている半導体や部品単価から試算したAirTagの原価見積もり金額も報告しています。

2.4GHzトランシーバーIC

AirTagには、Nordic製nRF52832が搭載されています。同チップは2.4GHzのトランシーバーICで、90nmプロセスで製造されています。
 
TechInsightsによれば、AirTag用nRF52832のパッケージはWLCSP50で、48ピンの6ミリx6ミリ QFN(Quad Flatpack No-lead)パッケージよりも75%小型化することに成功しているようです。
 
WLCSP50を選択した理由は、搭載するためのプリント基板面積を抑えるためとTechInsightsは推測しています。
 
AirTag用nRF52832は、NFCタグ、Bluetooth、Bluetooth Meshに対応しており、Bluetooth Meshが「探す」ネットワークへの接続の役割を果たしていると、TechInsightsは説明しています。
 

U1チップはSiPで提供

AirTagに搭載されるU1チップは、システム・イン・パッケージ(SiP)で提供されており、超広帯域無線(UWB)トランシーバー、水晶発振器、ソニー製RFスイッチで構成されています。
 
U1チップが占める面積は20.58平方ミリメートルで、TSMCの16nmプロセスで製造されているため、nRF52832よりも多くのトランジスタを搭載することができるようです。
 

 
AirTagのプリント基板において、こうした半導体類が占める面積はわずが6%に抑えられていますが、同製品にはそれ以外にアンテナやスピーカー、スピーカー駆動用としてMaxim製D級オーディオアンプが搭載されています。
 
下記画像は、AirTagにおけるアンテナ搭載位置です。
 

AirTagの原価は?

TechInsightsは、これらの部品単価から試算したAirTagの製造原価について、10ドル(約1,250円)以下と推測しています。
 
 
Source:TechInsights
(FT729)

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