TSMC、2つ目の2nmプロセス製造工場を計画するも環境への影響が懸念される

TSMCのロゴ
 
Appleのシステム・オン・チップ(SoC)を多く製造するTSMCは、2nmプロセスの半導体製造工場の建設を計画しています。
 
しかしながら、環境への影響が指摘されているとのことです。

数十億kWhの電力を消費すると予測される新工場

このTSMCの新しい工場は台湾の新竹市に建設が予定されています。
 
すでに環境認可を取得しているといわれていますが、環境アセスメント委員会から懸念の声が上がっているとのことです。
 
たとえば、TSMCの3nm工場は70億kWhの電力を消費していますが、2nmプロセス工場はさらに多くの電力を必要とすることが予想されます
 
参考までに、環境省によると平成29年度における日本の世帯あたりの平均電気消費量は4,322kWhでした。
 
これにより、新しい発電所が必要となり、周囲の環境や生態系、人間の健康に悪影響を及ぼす可能性があると環境アセスメント委員会は考えています。
 
環境アセスメント委員会は、TSMCが2nm工場の環境や地域住民への影響を説明する文書を公開することを期待しているそうです。

1日に10万立方メートルの水を消費

さらに、この工場は1日の水の使用量が10万立方メートルにも及ぶとのことです。
 
参考までに、東京都水道局によると世帯人数が3人の場合、1カ月に使用する水の量は20.7立方メートルです(令和元年のデータ)。
 
これにより、同じく多くの水を使って発電をおこなう石炭火力発電所へ影響を与えるリスクがあるとされています。
 
TSMCは再生可能エネルギーへの切り替えを加速させるべきであり、あるいはガスを使った発電所を建設すべきだと台中の関係者は考えていると伝えられています。
 
台湾では水は貴重な資源であり、以前の干ばつ際にTSMCはトラックで水を運ぶ必要に迫られました。

 
 
Source: Wccftech, 環境省, 東京都水道局
(ハウザー)

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