中国の大手自動車メーカーである吉利汽車(Geely)が、新会社を設立してスマートフォン事業に参入することを明らかにしました。プレミアムスマートフォン市場がターゲットとなる見込みです。
武漢から世界へ
今回立ち上げられたHubei Xingji Shidai Technologyは、Geelyの創業者による設立で、武漢に本社を置き「グローバルな技術とリソースを統合し、世界の消費者に向けてスマートフォンを含むプレミアムスマートデバイスを開発する」ことを目標とするそうです。
このプレスリリースからは二つの狙いが読み取れるでしょう。一つはプレミアムスマートフォン市場をターゲットとしていること、そしてもう一つは中国国内に市場を限定しないということです。
「ITを搭載した乗り物の技術と、スマートフォンのソフトウェア技術には密接な関係がある」と、創業者のエリック・リー氏は述べます。「今後の大きなトレンドは、国境を越えたユーザーエコシステムを構築し、より便利でスマート、そしてシームレスに繋がったマルリスクリーン体験をユーザーに提供することだ」
プレミアム価格帯はApple一強だが
AppleやXiaomiのように、大手スマートフォンメーカーが自動車事業に参入する例はありますが、その逆はかなり珍しいケースです。
しかし、米国の禁輸措置によってHuaweiの存在感が中国内外で一気に低下し、多くのライバル企業が空いた枠を埋めようと消費者の獲得にしのぎを削っていることを思えば、Geelyがビジネスチャンスとみるのも無理はありません。
とりわけプレミアム価格帯と呼ばれるカテゴリは、800ドル(約8万8,000円)以上に限れば75%をiPhoneシリーズが単独で占めており、業界が煮詰まっている感があるだけに、外部からやってきたメーカーが新たな風を吹かせる絶好のタイミングとも言えるでしょう。
Source:CNBC
(kihachi)