Qualcomm次世代チップSnapdragon 875、Samsungが独占受注か

qualcomm snapdragon 875
 
Qualcommが開発するハイエンドスマートフォン向けのチップ「Snapdragon 875」の量産をSamsungが全面的に請け負う見通しです。これによってチップ業界の勢力図が大きく変わる可能性もあります。

大きく引き離された2位のSamsung

iOS製品に搭載されるチップ「A~」シリーズを独占供給していることからも分かる通り、現在のファウンドリ(半導体受託生産)業界は台湾のTSMCが一強状態です。TrendForceの最新調査でも、TSMCが53.9%の市場シェアを占めるのに対し、2位につけるSamsungのシェアは17.4%しかありません。しかし、以前よりSamsungは自社スマートフォン向けExynosチップの開発だけでなく、ファウンドリ事業に強い関心を示しており、次世代技術である、極端紫外線(EUV)製造プロセスの構築に全力をあげてきました。
 

 
そうしたSamsungの努力が報われたのが、チップ業界最大手のQualcommが2020年12月に発表する、Snapdragon 875の受注獲得でしょう。現地メディアの報道によれば、SamsungはTSMCよりもよい条件を示すことで、Qualcommからの受注独占に成功したそうです。

勢力図が大きく変わるかも?

ただのチップ受注と侮ってはいけません。
 
Android端末の多くはQualcommのSnapdragonシリーズを搭載しており、特にハイエンドモデルとなれば、ほぼSnapdragon一択と言っても過言ではありません(SamsungのExynosシリーズやHuaweiのKirinシリーズのように独自開発しているメーカーもあります)。
 
ローエンド〜ミッドレンジではなく、ハイエンドモデル向けのチップを受注したということは、それだけSamsungの技術力が確かなもので、TSMCと遜色ない水準にまで達していることの証左でしょう。
 
また、米中貿易摩擦で中国企業がグローバル市場から排除されている状況も、Samsungへの追い風になるだろうとする指摘も出ています。事実、ファウンドリ市場でシェア5位につけている中国SMICへの制裁が米政府によって検討されており、仮に制裁が実現することとなれば、Samsungが代替サプライヤーとして収まるのではないかとの見方もあります。
 
NH Investment & Securitiesのアナリストは「来年、Samsungのファウンドリ事業は少なくとも50%成長するだろう」と予測、TSMC一強体制を崩す可能性を示唆しています。
 
 
Source:Business Korea(1)(2),Korean Investors
(kihachi)

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