iOS13でSafariブラウザを使用すると、ブラウジングデータが中国企業Tencentに送信される可能性があることが明らかになりましたが、Appleはこの件について事情を説明しました。
Tencentへのデータ送信は2017年から始まっていた
米メディアBloombergによれば、おおよそ2年前から、悪意のあるもしくは安全でないWebサイトを開く前にユーザーに警告するiPhoneとiPadのセキュリティ機能の一環として、AppleはTencentにデータを送っていたとのことです。
Appleは、問題があるとしてリストアップされたURLをチェックしていますが、このURLのリストが中国本土ではTencent、その他の地域ではGoogleによって管理されています。
iOS13のSafariとプライバシーについての説明書きには、「IPアドレスもログされる可能性がある」と記されていますが、これは中国当局とつながりの強いTencentにユーザーの位置情報などのセンシティブなデータが引き渡される可能性があることを示唆します。
セーフブラウジング機能は、2008年にGoogleの機能としてiOSに加えられましたが、2017年のiOS11で現在のTencentを含む形に拡張されました。
「ユーザーは選択をするためにも、こうしたへんこうについてきちんと知らされるべきだ」と、ジョンズ・ホプキンス大学の暗号研究者マシュー・グリーン博士はコメントしています。
Appleは声明を発表
SafariブラウザからTencentにユーザーデータが送られている件に関して、Appleは声明を発表しました。
Appleによれば、セーフブラウジング機能は、ユーザーのプライバシーを守り、ユーザーデータを保護するようにできているとのことです。確認作業はデバイス上で行われ、実際のWebアドレスはTencentとGoogleに共有されることはいっさいないとしています。
また、セーフブラウジング機能はデフォルトでオンになっていますが、オフにすることも可能とされています。ユーザーデバイスのIPアドレスは、あやしいWebサイトにアクセスしようとして警告が送られる際に、共有されるとのことです。
Source:Bloomberg
(lexi)