iPhone11で「量子ドット技術」の採用が計画されていた?取引先の株価暴落で判明

iPhone XI DigitIndia トリプルカメラ


 
今年登場する予定のiPhone11(iPhone XI)シリーズは、シリーズ初となるトリプルカメラ搭載が噂されています。しかし一方で、Appleが採用を計画していながら、最終的に搭載を見送った技術も明らかになってきました。その1つが「量子ドット(QD:Quantum Dot)」技術です。

様々な分野で注目集める量子ドット技術

21日の英株式市場で、量子ドット技術の開発を手がける企業Nanocoの株価が74%下落しました。
 

週明けは買い戻しが目立つが、先週末は一時6.00ドルへと暴落。直近52週の最高値55.50ポンドからの下落幅は最大で90%近くとなった


 
理由は同社が「大手米上場企業」との契約を更新しないと発表したためです。企業の名は明かされていないものの、多くのアナリストはAppleだとみています。2018年に契約した1,710万ポンド(約23億円)に代表されるように、Nanocoの大きな収益源となってきたAppleをパートナーとして失ったことが、投資家から嫌気され株価暴落に繋がったようです。
 
量子ドットとは光を放射する蛍光性のナノ粒子(1nm=0.000001mm)で、粒子のサイズに合わせて光の波長を正確かつ効率的にコントロールできる特性を活かし、生物学や電気光学など、様々な分野で応用が試みられています。

iPhone12では代替技術を採用か

AppleはiPhoneのカメラセンサーにNanocoの量子ドット技術を組み込もうとしていたと考えられており、実装されれば暗所での飛躍的な画質向上が見込めるほか、拡張現実(AR)機能のサポートとしても期待されていました。
 
早ければiPhone11への採用が検討されていましたが、今回Nanocoとの契約更新が見送られたことから、センサーの製造コストがかさむために最終的な実装は諦めたのではないか、と考えられています。
 
また、見送った量子ドット技術の代わりに、Appleはレーザーによる3Dスキャン技術に意欲的で、2020年のiPhone12での採用を目指していると報じられています。レーザーによる3Dスキャンは量子ドットと異なり、すでにTrueDepthカメラの顔認証(Face ID)にも実装されており、この技術を応用したものとなりそうです。
 
 
Source:The Telegraph,AppleInsider,BGR
Photo:DigitIndia,Google(Nanoco株価)
(kihachi)

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