アメリカの非営利消費者団体が発行する雑誌Consumer Reportsは、iPhone XSとiPhone XS Maxの評価結果を発表しました。両モデルのバッテリー駆動時間がAppleの公称値以上に長いことを「特筆すべき改善」と高く評価しています。
バッテリー駆動時間はAppleの公称値を上回る
Consumer Reportsは、iPhone XSとiPhone XS Maxの発売直後、製品テストの速報を伝え、最終テストの結果は近日公開すると予告していました。
同誌が、実際のユーザーによるスマートフォン使用を再現するためにロボットの指を使い、インターネット閲覧、写真撮影、GPSでのナビゲーション、電話の発信の操作を行った結果、iPhone XSとiPhone XS Maxのバッテリー駆動時間は以下のとおりでした。
- iPhone XS:24.5時間
- iPhone XS Max:26時間
これは、Appleが発表しているバッテリー駆動時間を上回っています。
なお、昨年のiPhone Xは19.5時間でしたので、iPhone XSで5時間もバッテリー駆動時間が延長しています。
テストはディスプレイ輝度を100%にして実施しているため、ディスプレイを暗くすれば駆動時間はさらに長くなります。
充電には時間がかかる
iPhone XSとiPhone XS Maxは、バッテリーの充電に時間がかかるとConsumer Reportsはコメントしてます。
iPhoneに同梱されている5Wの充電器を使って、バッテリー残量ゼロの状態から100%まで充電するのにかかった時間は以下のとおりです。
- iPhone XS:195分間
- iPhone XS Max:210分間
一方で、SamsungのフラッグシップモデルGalaxy Note9の充電所要時間は105分間で、iPhone XS/XS Maxのおよそ半分の時間でフル充電できています。
iPhone XS/XS Maxの発表前には、標準で18WのUSB Type-C充電器が同梱されると噂されていましたが、実際に同梱されたのは従来と同じ5Wの充電器でした。
カメラ機能はポートレートモードが高評価
iPhone XS/XS Maxのカメラ性能テストを実施したチームは、静止画のクオリティを高く評価したものの、昨年のiPhone Xと比べると、「進化はごく小幅で、一般的なユーザーには分からないレベルだ」とコメントしています。
しかし、背景のボケ加減を、撮影後に好みに応じて変えることができるiPhone XS/XS Maxのポートレートモードについては高く評価しています。
動作は高速、重いアプリもすぐに起動
Consumer Reportsは、一般的なベンチマークテストアプリを使って、iPhone XSとiPhone X、iPhone8、Galaxy Note9の動作速度を比較しました。
結果は、iPhone XSが4モデル中トップであったほか、精細なグラフィックを使ったアプリや、AR(拡張現実)など「重い」アプリも短時間で開くことができたそうです。
高速処理と省電力を両立した、A12 Bionicプロセッサの効果が出ていると言えます。
50回の落下で損傷が発生
2.5フィート(約76cm)の高さから繰り返し落下させるテストでは、3台のうち2台のiPhone XSが、50回の落下テストを終えた時点で明らかな損傷が生じていました。
1台目は、ディスプレイ側のガラスが割れていたものの画面表示は可能な状態でした。
2台目はリアカメラに損傷がみられ、100回落下させるとカメラは動作しなくなってしまいました。しかし、ディスプレイは無傷でした。
Consumer Reportsは、iPhone XS/XS Maxを使うなら保護ケースに入れることをお勧めする、とコメントしています。
Consumer Reportsによる落下テストでは、Galaxy Note9は100回の落下後もガラスが無傷で、小さな傷がついた程度だった、とのことです。
総合評価ではGalaxy Note9に1点差で敗れ、2位
Consumer Reportsは、iPhone XSとiPhone XS Maxに総合82点と評価しています。
このスコアは、総合81点のGalaxy S9を上回りましたが、総合83点でスマートフォンの最高評価を獲得したGalaxy Note9に1点差で敗れる結果となりました。
Source:Consumer Reports
Photo:iFixit
(hato)