スマホに「ノッチ」はもう古い?「スライド式カメラ」が流行の兆し

oppo find x
 
スマートフォンメーカーの多くは現在、ディスプレイ領域を極限まで最大化するため、ベゼルレスデザインの採用に積極的です。そうした傾向のなかで最近、インカメラ(自撮り用カメラ)を「スライド式」にしてスマートフォンに格納する技術が流行の兆しをみせています。

ベゼルレスデザインの抱える問題

従来のスマートフォンは、ディスプレイのアクティブ領域と、インカメラやセンサーのための非アクティブ領域がはっきりと分かれており、メーカーは頭を悩ませる必要がありませんでした。
 

 
ところが、「より大きなディスプレイを持った手頃なサイズの端末」という、相反する要素を持つデザインを切望する消費者が次第に多くなるにつれ、いかに限られたサイズ内でディスプレイのアクティブ領域を最大化させるかがメーカーの課題となり始めます。
 
ベゼルをどれだけ狭くし、ディスプレイ領域を極限まで確保しようとしても、どこかに非アクティブ領域を設けなければいけません。
 
そこで現在、多くのスマートフォンメーカーが採用しているのが、「ノッチ式」と呼ばれる解決法です。Essential Phoneを手始めに、iPhone XやHuaweiのP20などが採用しているデザインで、ディスプレイの中央上部に「小島」のような領域を設けているのが特徴です。
 

 
ただし、限られたスペースに高性能カメラや複数のセンサーを集約させるには非常に高い技術が必要なのに加え、そもそもノッチ自体を好まないユーザーも少なくありません。

中華メーカーが続々と採用

こうした状況を打開するかのように、中華メーカーの間で最近注目を集めているのが「スライド式」と呼ばれるデザインです。
 
通常はディスプレイと背面の間にカメラやセンサーが格納されているのが特徴で、アプリを起動すると、スライドするようにしてカメラが飛び出します。初めてこのデザインを採り入れたOPPOのFind Xが登場した際は、目新しさありきの“コンセプトモデル”のような見方もありましたが、気づけばLenovo、Huawei、Xiaomiと、次々に各社が採用を始めています。
 

8月末より始まった見本市IFAで発表された。HonorはHuaweiの中価格帯ブランド。


Lenovoの副社長が、同社の手がけるスマートフォンのコンセプトとして公開。


10月に発表される「Xiaomi Mi MIX3」。Xiaomi創業者がSNSで公開。従来モデルはベゼル下部にインカメラやセンサーを搭載していた。


 
なんと言っても「スライド式」の利点は、ディスプレイのアクティブ領域を最大化できることです。
 
カメラやセンサーはスライダー部位に搭載すれば済みますし、ノッチという限られた領域にモジュールを収める必要もないので、部品の大きな高性能カメラやセンサーを採用することもできます。また、“Appleの後追い”というイメージを消費者に与えずに済むのも強みです。
 
実際に筆者が体験した限りでは、「0.5秒で起動する(OOPO)」という言葉から受け取るイメージとは裏腹に体感速度はそれほど早くなく、スライドのスピードに課題も感じますが、消費者にとってノッチ式以外の選択肢が増えることは魅力でしょう。
 

 
iPhone Xに続き、iPhone XSでも引き続きノッチが採用される見通しですが、スマートフォン業界をリードしてきたAppleとしては、「ノッチ式」でも「スライド式」でもない新たなデザインを模索する必要が出てきそうです。
 
 
Source:Android Headline,YouTube
Photo:Mashable,微博[1],[2],OPPO
(kihachi)
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