パスワード不要で各種Webサービスを利用できる日も近い?

Apple iPhone X Face ID
 
ショッピングや金融サービスなど、各種オンラインサービスを利用するのに、毎回パスワードを入力しなくても済む日が近づいています。FIDOアライアンスとW3Cが新たなWeb標準を立ち上げました。

面倒なパスワード管理

現在Web上のさまざまなサービスの利用には、ユーザー名およびパスワードの設定と入力が不可欠です。サービスごとに異なるユーザー名やパスワードを設定するのが理想ですが、つい面倒で同じものを使いまわしているという人は少なくないでしょう。またせっかく違うものを設定しても、忘れてしまうというのはよくある話です。
 
主要IT企業は、こうしたユーザー名およびパスワード管理の手間を省き、同時にセキュリティを向上させる試みに数年前から取り組んでいます。たとえばYahooは2015年3月にパスワードなしでログイン出来る認証システムを発表したほか、同年10月にはパスワードの代わりにプッシュ通知で受け取ったコードを利用する仕組みを導入しています。

パスワードの代わりに生体認証を利用

生体認証などを利用したオンライン認証技術の標準化を目指す標準化団体FIDOアライアンスと、Web技術の標準化をすすめる標準化団体W3C(World Wide Web Consortium)が提唱しているAPI「WebAuthn」は、パスワードの代わりに指紋リーダーやカメラ、USBキーなどを使い、Web上のすべてのサービスを利用できるようにするものです。
 
米メディアEngadgetによれば、現在WebAuthnはMozillaのFirefoxブラウザで利用可能となっており、今後数カ月以内にGoogle ChromeとMicrosoft Edgeも対応する見通しです。Operaもサポートを表明していますが、AppleのSafariが対応するかどうかは現時点では不明です。
 
しかし米メディア9to5Macが指摘しているように、AppleのiPhone、iPad、MacBook Proは、すでにTouch IDやFace IDという生体認証を取り入れており、WebAuthnがAppleユーザーにとって便利なものとなるのは確実です。また他の主要ブラウザがサポートする標準に、Safariのみが対応しないというのも考えにくい話です。
 
技術的にはまだ「推奨」段階にあるWebAuthnですが、ブラウザの対応は正式な標準化へ向けての大きな一歩となりそうです。

 
 
Source:W3C,Engadget via 9to5Mac
(lunatic)

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