Appleは、開発者向けに公開している「App Store審査ガイドライン」の日本語版に、主にゲーム系アプリなどで提供されているいわゆる”ガチャ“について、各種アイテムの入手確率を明記するよう義務付ける記載を追加したことがわかりました。
ガチャ購入前に入手確率が確認できるよう義務化
Appleの開発者向けサイト内で公開されている「App Store審査ガイドライン」(開発者でなくても閲覧可能)では、アプリの審査提出前のチェックリストと提出後の流れとして、コンテンツの安全性やパフォーマンス、アプリ内課金などの支払い、デザインなどの各項目について、ガイドラインを定めています。
ニュースサイトねとらぼなどによると、日本語版ガイドラインに1月18日、「3.1.1 App内課金」の項目が追加されました。ルートボックスなどの方法でアプリ内アイテムをランダム購入できる仕組みがある場合は、「各種アイテムの入手確率を明記して、ユーザーが購入前に確認できるようにしてください」としています。
App Store審査ガイドラインより追加された項目(黄色の着色は筆者の編集)
ガイドラインの改訂を受け、これまで入手確率を表示していなかった人気ゲームアプリ「モンスターストライク」「パズル&ドラゴンズ」などが、アプリのバージョンアップで確率表示に対応することを発表しています。
英語版では、2017年12月時点ですでにガイドラインが変更されています。
アプリによって異なる入手確率の表記、今後変わる?
日本におけるガチャをめぐる動きでは、2012年に消費者庁が「コンプリートガチャ」(コンプガチャ)が景品表示法に抵触すると発表し、その後2016年に日本オンラインゲーム協会などの業界団体が、ガチャで入手できるアイテム一覧の明記や、レアアイテムが当たるまでに必要な推定金額に上限を設けるなどのガイドラインを定めました。
ただしアプリ提供各社の対応はさまざまで、レア度に応じた確率のみの表記、各レア度とともにキャラクターやアイテムごとの確率詳細の表記など、開示情報に差がある状態が続いています。
Appleが今回ガイドラインで確率表示を義務付けたことにより、現在入手確率が明記されていないアプリも、今後のアップデートで対応する可能性があります。ユーザーにとっては目当てのキャラクターやアイテムを入手するために、ガチャ自体を購入するかどうか、購入する場合は上限金額をいくらまでにするかなどの参考になるのではないでしょうか。
Source:Apple(App Store審査ガイドライン), 消費者庁, ねとらぼ, 4Gamer, 日本経済新聞
(asm)