高市総務相、通信料金値下げ効果出ていると主張―ドコモの700億円減収引き合いに

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安倍内閣の高市早苗総務相は日本経済新聞のインタビューに答え、携帯電話の通信料金が引き下げられた証拠として、NTTドコモが年間700億円の減収となったことなどを挙げました。

NTTドコモは700億円の減収

安倍首相の肝いりで始まった総務省の通信料金値下げ介入ですが、有識者会議などで紆余曲折を経た結果、(1)MNPユーザーなどを対象とした「実質0円」「一括0円」の廃止、(2)ライトユーザー向けに1GBプランの新設、(3)長期ユーザーへの還元という3つの主軸が3大キャリアに要請されることとなりました。
 
こうした要請を踏まえたキャリアの取り組みを受け、高市早苗総務相は日本経済新聞によるインタビューで、「予想よりも早く効果が出ている」とし、ライトユーザーと長期ユーザー向けのプランの拡充によって、「NTTドコモでは一連の値下げで年間700億円の減収になる」と述べ、効果がキャリアの減収という形で表れているとの見解を示しました。

減収=効果出ているとの見解に疑問も

しかし、キャリアの減収を値下げ効果によるものとする見方はあまりにも短絡的であるように思われます。主に「実質0円」「一括0円」に代表される過度の割引の廃止によって、値上がりムードが消費者の間に蔓延し、ショップへの客足が遠のいたことも、少なからず減収となった一因でしょう。
 
また、長期ユーザー向けへの還元は各社とも始まったばかりですし、1GBプランへの移行も、ライトユーザーが中心とあっては目に見えて莫大な減収となるほど素早く行われたとも思えません。
 
高市総務相は改めて「決算状況によって総務省が対応を変えることはない」と強調していますが、余計な混乱をスマートフォン業界に持ち込み、結果としてユーザーの利益を阻害することだけは避けて欲しいものです。
 
 
Source:日本経済新聞
(kihachi)

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