中国BOEが、韓国Samsung DisplayのOLED関連特許を侵害したとして米国国際貿易委員会(ITC:International Trade Commission)に提起されていた問題について、BOEが特許使用料を支払うことで和解に至ったと複数の海外メディアが報じています。
この結果、BOE製OLEDディスプレイを搭載するiPhone16eの米国への輸入販売停止措置の恐れは回避される見通しとなりました。
対象出荷数に応じて特許使用料を支払い
長期間続いていた両社の対立は、BOEがSamsung Displayに対象ディスプレイの製造量に応じた特許使用料を支払うことで解決した模様です。
和解金額やライセンス料の詳細は不明ですが、BOEが継続的に支払う仕組みとみられるため、Samsung Displayは今後も安定したライセンス収入を得ることになります。
iPhone16e/17eの米国出荷差し止めリスクも回避へ
紛争が長期化した場合、BOE製OLEDディスプレイを採用しているiPhone16eだけでなく、後継のiPhone17eの米国での販売にも影響が及ぶ可能性が指摘されていましたが、今回の和解でそのリスクはなくなりそうです。
BOE製OLEDでは品質問題も発生
ただし、BOEにとっては特許問題解決の一方で、iPhone17向けOLEDディスプレイに新たな品質問題が生じているとされています。
iPhone17シリーズでは、世界向けのiPhone17、および中国向けのiPhone17 ProにBOE製OLEDが採用されています。しかし、iPhone17向けのパネルで品質問題が発生し、現在はSamsung Displayが代替出荷していると報じられています。
iPhone17では、ベースモデルとして初めて低温多結晶酸化物(LTPO:Low Temperature Polycrystalline Oxide)ディスプレイが採用されており、それに関連する不具合の可能性が指摘されています。
BOEは以前、Dynamic Island周辺から光が漏れる問題を解消したと報じられていましたが、今回さらに新たな問題が生じたことになります。
Photo:Apple Hub/Facebook
