iOS27から2日後にリリースされたiOS27.2ベータ版のコードから、デバイスのデータ消去(初期化)時に、ストレージ全体を空データ(無意味なデータ)で上書きする新しいオプションが発見されました。現時点では、中国市場向けに販売されるiPhoneモデルに限定した実装とみられます。
この機能は、従来の暗号キー破棄による消去方式に加え、より物理的・完全なデータ抹消を可能にするものです。
従来の初期化(暗号学的消去)との違い
| 従来の初期化方式 | 新オプション(上書き消去) | |
|---|---|---|
| 仕組み | 暗号キーを破棄する | ストレージ全体に空データを書き込む |
| セキュリティ | 暗号学的に復元不能にする | 物理的にデータを無意味な値で塗りつぶす |
| 所要時間 | 瞬時〜数分程度 | 大幅に伸びる(ストレージ容量に依存) |
現在のiPhoneは、デバイス内に保存されたデータを常に暗号化しており、初期化の際はその復号用暗号キーを破壊する「暗号学的消去(Cryptographic Erasure)」を採用しています。これによってデータ自体へのアクセスが即座にできなくなります。
一方、今回判明したオプションは、フラッシュストレージ全体へ実際にデータを1回以上上書きする方式です。
中国の新規制「GB 46864-2025」への対応で導入か
コードの解析結果によると、この機能は現時点で中国市場向けに販売されるiPhoneモデルに限定して実装されています。
- 新規格の施行:中国では2027年1月1日より、スマートフォンなどの電子機器に対してデータ完全消去機能の搭載を義務付ける強制国家規格「GB 46864-2025」が施行されます。
- 要件への準拠:同規格では「半導体ストレージ(フラッシュメモリ)の場合、ユーザーデータを含む領域を無意味なデータで少なくとも1回上書きすること」が要件とされており、今回のiOSの仕様変更はこの法規制に対応するためのものとみられます。
対応デバイスと注意点
- 他デバイスへの展開:コード内にはiPhoneだけでなく、iPad、HomePod、Apple Vision Proへの対応を示す記述も含まれています。
- 処理時間とストレージ寿命への警告:この上書き消去は従来の初期化よりも処理時間が長くなるほか、大量のデータ書き込みに伴いストレージ(フラッシュメモリ)の寿命に影響を与える可能性があると警告されています。
セキュリティ強化というより「規制対応」が目的か
セキュリティ面においては従来の暗号キー破棄でも十分安全とされていますが、国の法規制に合致させる形でのローカライズ対応として今回の機能が追加されたとみられます。今後、他の地域向けにも同様のオプションが開放されるかどうかに注目です。
Source:9to5Mac
