ディスプレイサプライヤー各社が設備投資を進めている「第8.6世代OLEDディスプレイパネル(ガラス基板サイズ:2,290mm × 2,620mm)」について、中国BOEが2026年5月に量産を開始する見通しであることが明らかになりました。
第8.6世代OLEDをいち早く量産開始へ
Samsung Displayの第8.6世代OLEDディスプレイは、2026年末〜2027年初頭に登場すると噂されるM6 Pro/Max搭載MacBook Pro向けに独占供給されるとみられています。
一方、BOEはApple向け受注を獲得できていないと考えられていますが、2026年5月にいち早く量産開始する第8.6世代OLEDパネルは、AcerおよびASUSの14インチノートPC向けに供給する計画と報じられています。
MacBook Air向けOLED受注に向けた実績づくりか
BOEとしては、MacBook Pro向けOLEDを獲得できないとしても、AcerやASUS向けで実績を積むことで、2028年以降に導入が噂されるMacBook Air向けOLEDディスプレイの受注獲得を狙う可能性があります。
MacBook Air向けパネルはProモデルほどの高性能が要求されず、コスト競争力がより重視されると予想されるため、
・iPhone16e向けOLEDを最多数供給
・業界内で最安水準の価格帯
といったBOEの強みが活かせる領域と考えられます。
BOEの品質課題と、Appleのサプライヤー戦略
BOEは価格競争力が高い一方で、製造歩留まりや品質面の課題がたびたび指摘されています。
しかしAppleは、Samsung DisplayやLG Displayとの価格交渉力を高めるため、BOEを競合サプライヤーとして維持する方針を取っているとみられます。
ただし、第8.6世代の大型OLEDが最も効果を発揮する製品カテゴリである
・タブレット(iPad Pro、iPad mini)
・ラップトップ(MacBook Pro)
について、BOEは現時点で受注できていません。
Appleは新技術の初期採用フェーズにおいて、価格より品質を優先する傾向が強いため、現状ではSamsung Displayが優位な立場にいると考えられます。
