デバイスを買うときは、盗まれやすさも考えたほうがいい?

スマホ盗難

ロンドンやパリなどヨーロッパの都市圏では、いわゆる“Phone Snatchers”と呼ばれるスマホ盗難が多発しています。なかでも、Androidと比べてiPhoneが狙われやすいとされています。その理由は、iPhoneの中古販売価格がAndroidよりも高いからですが、「盗まれやすさ」もデバイス購入時に考慮すべきポイントなのでしょうか。

iPhoneではない場合は返却されることも?

ロンドン警視庁のデータによれば、2024年に盗まれたスマホの数は11万7,211台にのぼり、2019年の91,481台から約25%増加しています。

標的となっているのは、ほぼiPhoneだけと言っても過言ではありません。盗まれたスマホがiPhoneではないとわかった場合、持ち主に返却されることもあるそうです。とはいえ、その方法は歩道に投げ捨てるといった乱暴なもので、もちろん親切なやり方ではありません。

Phone Snatcherの見た目はだいたい一貫していて、全身黒ずくめの服装にバラクラバ(覆面)をかぶり、E-Bikeやファットバイクに乗って現れることがほとんどだそうです。

英紙The Independentは、ロンドンのスマホ盗難の実態を端的にまとめた動画を公開しています。

人気のないiPhoneモデルもある?

iPhoneが狙われやすいとはいえ、すべてのiPhoneモデルが同じように人気というわけではないようです。体験談として、「iPhone12 miniは一度盗まれたものの、価値がつかないためか結局返却された」という話もオンラインで見かけました。iPhone12 miniは2020年発売のモデルなので、市場価値があまり高くないのも納得できます。

iPhone12 mini(左)

SellCellが2024年1月に発表した2023年スマホ減価レポートでは、iPhone15シリーズと同年のAndroidフラッグシップ(Galaxy S23/Pixel 8/OnePlus 11)を「発売から3カ月後」の時点で比較していますが、iPhone15シリーズは他社フラッグシップより27.1%多く価値を維持していたことが分かっています。
こうした残価の高さが、iPhoneが盗難のターゲットになりやすい主な要因と言えそうです。

アクティベーションロックがあるのに、なぜ狙われる?

「デバイスが盗まれても、アクティベーションロックがあるから使えないのでは?」と思うかもしれません。しかし、ロックの回避はそれほど難しくないと指摘する声もあります。

そもそもスマホ盗難は、ユーザーがデバイスを使用中に発生することが多いとされています。そのため、犯人は少し距離をとってから、ロックがかかる前にパスコードを解除してしまったり、フィッシングや偽メッセージでApple ID情報を抜き取ったりするのかもしれません。

結論:日本では今のところ心配は小さいが、海外では要注意

日本では、どれだけ高価なiPhoneモデルを持っていても、日常的に盗まれるケースはまだ多くないと思われます。とはいえ、海外に行く場合はスマホ盗難がかなり横行しているということを頭の片隅に置いておいても損はありません。

具体的な対策としては、

  • 通りなど人目に付きやすい場所で長時間スマホを構えない
  • 道端で地図アプリを確認するときは、建物の中や人通りの少ない場所に移動してから行う
  • 可能であれば、旅行中は古いスマホを持っていき、メイン機は自宅に置いておく

といった方法が考えられます。

なるべく怖い目にあわずに済むよう、工夫していきたいですね。

Photo: Apple

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