MozillaがiOS版Firefoxに広告ブロッカーを追加しました。別のアプリを入れなくても、設定を1つ切り替えるだけで第三者の広告やポップアップを減らせます。ただし検索結果に並ぶ広告は対象から外れており、Safariで開いたページにも効きません。オンにする手順、消える広告と残る広告の線引き、Safariの機能拡張との使い分けまで整理した内容です。
広告ブロッカーが止める広告と止めない広告
iPhoneでニュースサイトや個人ブログを開くと、本文の間に広告が挟まったり、画面を覆う表示が出たりして読み進めにくくなることがあります。Firefoxの広告ブロッカーは、こうした表示のうち第三者が配信するものを、読み込む前の通信の段階で止める仕組みです。
Mozillaは遮断の対象として次の4種類を挙げています。
- 第三者の広告ネットワークと広告取引所
- 広告に関連するトラッカー
- サイトが表示する第三者の広告の多く
- ポップアップやオーバーレイのような割り込み型の広告
反対に、オンにしても残るものもはっきり示されています。
- Google、Bing、DuckDuckGoなど検索結果ページに出る広告
- Firefoxのホームや新しいタブに出るスポンサーコンテンツ
- 現在のフィルターリストが対応していない方式で配信される広告
検索結果ページの広告はブロックされません。この線引きを知らずに使うと、広告が減っていないと感じる場面が出てきます。
検索結果の広告が残る理由
広告ブロッカーは、広告の配信元をフィルターリストと照らし合わせて、読み込む前の通信を止めています。ところが検索結果に並ぶ広告は、検索結果そのものと同じ場所から届くため、配信元だけでは切り分けられません。
配信元をまとめて止めれば、検索結果ごと表示されなくなります。検索連動広告は検索サービス側の収益源でもあるため、ブラウザが一律に止める選択は取りにくいのが実情です。
検索結果の広告に触れる回数を減らしたい場合は、遮断ではなく開き方で調整することになります。よく読むサイトをブックマークやホーム画面から直接開けば、検索結果を経由する回数そのものが下がる形です。
Safariの機能拡張と何が違うのか
Safariで広告を減らすには、アプリの追加と設定の変更という2段階が必要です。
- App Storeでコンテンツブロッカーのアプリを入れる
- 「設定」から「アプリ」→「Safari」→「機能拡張」と進む
- 目的の機能拡張を選んで「機能拡張を許可」をオンにする
Firefoxの広告ブロッカーは、アプリを追加せずにブラウザ内の設定だけで切り替えられます。差が出るのは遮断の強さよりも、導入の手間と効く範囲です。
Firefoxの広告ブロッカーが効くのは、Firefoxで開いたページだけです。SafariやほかのアプリでWebページを開いたときには働きません。
iOS版FirefoxはGeckoではなくWebKitを土台に動いており、Web表示の部分はSafariと同じ仕組みを使っています。そのため、遮断できる範囲そのものが大きく変わるわけではありません。
日本では2025年12月にスマホソフトウェア競争促進法が全面施行され、iPhoneのブラウザ自由化へ進む土台ができました。WebKit以外のエンジンを使うブラウザが広がれば、遮断できる範囲の前提も変わります。
以前からあるトラッキング防止との使い分け
iOS版Firefoxには、以前から「強化されたトラッキング防止」が入っています。Disconnectのリストを使い、広告・ソーシャル・分析のトラッカー、暗号通貨のマイニング、フィンガープリント採取を検知して遮断する機能で、初期設定ではオンです。
今回の広告ブロッカーは、EasyListをもとにした別のリストで、広告の表示そのものを対象にしています。こちらは初期設定でオフです。
2つは役割が違うため、次のように使い分けられます。
- 追跡を減らしたい人は、トラッキング防止を「厳格」にする
- 表示される広告を減らしたい人は、広告ブロッカーをオンにする
- どちらも気になる人は、2つを同時にオンにする
「厳格」にすると読み込みが速くなる代わりに、サイトの機能が止まることがあります。表示が崩れたときは、そのサイトだけ保護を切るのが手早い方法です。
オンにする手順と表示が崩れたときの戻し方
設定からの切り替えは4手順です。
- Firefoxを開いてメニューボタンをタップする
- 「Settings」をタップする
- 「Browsing」まで下にスクロールする
- 「Content」にある広告ブロッカー(Ad Blocker)をオンにする
見ているページごとに切り替えたいときは、サイトメニューから同じ設定を開けます。
この機能は実験的な扱いで、段階的に配信されています。設定に項目が見当たらない場合は、まだ自分のアプリへ届いていない状態です。
オンにしたあとでサイトの表示が崩れたら、サイトメニューから広告ブロッカーを戻します。一度オフにして再読み込みすると、表示が元に戻る仕組みです。
広告を減らしたい人が今日から試せること
普段どのブラウザを使っているかで、取る手は変わります。
- Firefoxを主に使っている人は、広告ブロッカーをオンにして、崩れたサイトだけ個別に戻す
- Safariを使い続ける人は、Firefox側の設定が効かないため、Safariの機能拡張を入れる
- 検索結果の広告を減らしたい人は、どちらの方法でも消えないため、開き方を変える
広告ブロッカーが減らせるのは、サイト側に埋め込まれた第三者の広告です。検索結果とFirefox自身の表示はそのまま残るという線引きを覚えておけば、オンにしたあとの見え方に迷いません。
