7月8日現在、米国のApp Storeで「ICEBlock」という聞き慣れないアプリが、大手テック企業のアプリに並んでソーシャルネットワーキング部門で3位にランクインしています。いったいどのようなアプリなのでしょうか。
文字通り“ICEをブロック”するアプリ?
「ICEBlock」は、その名の通り“ICE(移民・関税執行局)”の活動を“ブロック”することを目的としたアプリです。ここでのICEとは、アメリカの移民・関税執行局(Immigration and Customs Enforcement)の略称を指します。
簡単に言えば、ICEが現在どこで、どのような活動を行っているのかをユーザーが報告・共有できるアプリであり、移民ステータスに不安を抱える人々にとって特に重宝されているようです。
開発者はユダヤ人家庭出身のジョシュア・アーロン氏で、「この国で起きていることを見て、何か行動を起こさなければならないと感じた」とインタビューで語っています。氏はまた、自身の家族がかつてナチス・ドイツに迫害された過去を引き合いに出し、「ICEによる強制送還は、歴史が繰り返されているように思える」と、その姿勢を厳しく批判しています。
ホワイトハウスはCNNに警告
このアプリの人気を報じた米CNNに対し、ホワイトハウスは「法の執行を回避する行動を助長するような報道を行った」と警告し、制裁も辞さない構えを見せています。
また、米司法長官もアプリ開発者に対して「気をつけたほうがいい」と発言し、何らかの法的措置を取る可能性をほのめかしました。
開発者は「単なる情報共有」と主張
アーロン氏はインタビューで、「このアプリは単に情報共有をしているだけで、逃走や法の執行の回避を助長しているわけではない」と主張しています。
なお、アプリ公開以降、ICE職員に対する暴力事件が増えたとの情報もありますが、氏は「アプリはそうした暴力行為を扇動する意図は一切ない」と強調しています。