なぜ緊急通報できないTeamsによりAndroidスマホが緊急通報できなくなるのか

Microsoft Teamsのせいで緊急通報できないAndroidスマホ
 
最近、Microsoft TeamsアプリをインストールしたAndroidスマートフォンにおいて、救急車を呼ぶなどの緊急通報ができなくなる不具合が見つかり、大きな問題となりました。
 
Microsoft Teamsアプリ自体は緊急通報をおこなうことができないアプリなのに、なぜこのアプリがこのような不具合を引き起こしたのでしょうか

緊急通報をおこなう候補のアプリをリストアップするAndroid

この疑問に対し、Esperのミシャール・ラーマン氏が解説をおこなっています。
 
Android OSは緊急通報をおこなうために、それができるアプリのリストをあらかじめ作成します。
 
ただし、このリストには通話が可能であるすべてのアプリが登録され、実際に緊急通報する際に緊急通報できないアプリはフィルタリングされる仕組みになっているそうです。
 
このため、Microsoft Teamsは緊急通報ができないアプリですが、通話は可能なので、このリストに登録されることになります。
 
このこと自体は正常な動作であり、問題ありません。

Microsoft Teamsがリスト管理のオーバーフロー/アンダーフローを引き起こす

しかしながら、Microsoft Teamsは通話可能アプリリストに自身を何度も登録することがあり、これが今回の問題の引き金になったそうです。
 
Microsoft Teamsアプリは、アプリの起動時やスマートフォンの再起動時など、サインインしていない状態が発生すると自身の固有の識別子を新たに作り出すことから、通話可能アプリリストに新たに自身を登録します。
 
これが何度も繰り返され、大量のMicrosoft Teamsアプリがリストに登録された結果、リストを管理するプログラムがオーバーフローやアンダーフローを起こし、緊急通報できなかったりスマートフォンが固まってしまったりするとのことです。
 
このケースは特殊なようにも思えますが、セキュリティーポリシーやアプリのバグによって強制的なログアウトが発生することはあり、それが積もり積もれば問題を引き起こす可能性は十分にあります。

Microsoft TeamsとAndroid OSの双方が修正を計画中

この問題に対してMicrosoftは、Teamsアプリがリストに何度も登録されないようにするためのアップデートを計画しています。
 
これによりMicrosoft Teamsが原因で緊急通報ができなくなる問題は解決されますが、他のアプリが同様の動作をおこなっている可能性はあり、それが原因で同じ問題を引き起こすかもしれません。
 
そこでGoogleもAndroid OSをアップデートし、根本的にこの問題を解決する予定です。
 
なお、この問題はAndroid 10以降のAndroid OSでしか発生しないそうです。

 
 
Source: Medium via Android Police
(ハウザー)

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