スマホ市場の回復の差が米国の貧富の差を浮き彫りに~高いスマホのほうが早く回復

助けを求める掲示物の画像
 
新型コロナウイルスの影響により大きく落ち込んだアメリカのスマートフォン市場は、急速に回復を遂げています。しかしながら、その回復は一様ではなく、高級なスマートフォンが先に回復し、低価格なスマートフォンは回復が遅れているという状態です。ここでもアメリカにおける貧富の差が浮き彫りになっています。

富めるものほど先に回復するアメリカ経済

アメリカの経済は新型コロナウイルスにより大きな影響を受け、スマートフォン市場もその例外ではありませんでした。
 
しかしながら、ワクチン接種の普及や地域経済の活性化により、失業率は低下してきています。
 
これに伴い、スマートフォン市場も大きく回復してきているのですが、その回復度合いは端末の価格帯によって異なるという事態となっています。
 
調査会社のCounterpointによると、価格の高いスマートフォンが先に大きく回復したのに対し、価格が安いスマートフォンの回復は遅れているとのことです。
 

 
高所得者の多くはリモートワークなどによりパンデミックを乗り切れたのに対し、工場やサービス業に従事する中・低所得者は、労働が職場と密接に結びついています。
 
このため、2019年第1四半期(1月~3月)と2021年第1四半期を比較すると、高所得者が購入する600ドル(約66,375円)以上の端末の需要は20%増加したのに対し、100ドル(約11,063円)以下のデバイスの売上は大幅に減少しています。
 
今後は中・低所得者の経済状態の回復により状況は改善されるはずですが、少なくとも今年の残りの期間は、プレミアム価格帯のスマートフォンの需要の高まりが続くとのことです。

携帯電話キャリアによる販売促進も一因

この端末価格別の回復度合いの違いは、携帯電話キャリアによる販売促進も一因であるとされています。
 
たとえば、AT&Tは、既存顧客と機種変更者を対象にiPhone12を最大700ドル(約77,448円)引きに、Galaxy S21を最大800ドル(約88,517円)引きにするキャンペーンを開始しました。
 
Verizonも同様のキャンペーンを実施しています。
 
このようにiPhone12やGalaxy S21といった高級な端末が無料またはほぼ無料で提供されることで、プレミアム価格帯のスマートフォンの売上が増加したとのことです。

 
 
Source:Counterpoint
(ハウザー)

モバイルバージョンを終了