Apple、サブスクリプション手数料でAmazon プライム・ビデオを特別扱い

Amazon プライムビデオ


 
Appleのティム・クック最高経営責任者(CEO)はApp Storeで巨大な影響力を背景に開発者などに不公正な取引を強いていないかを審議するアメリカ議会下院の公聴会に出席しました。その席でクックCEOは「全ての開発者を同じように扱っている」と発言したのですが、そこには例外もあったようです。

初年度から15%

全ての開発者を同じように扱っている」とクックCEOは議会下院の公聴会で発言したのですが、Amazonプライム・ビデオのサブスクリプション手数料については他社のアプリより圧倒的に有利な条件としていることが判明しています。現在、Appleが徴収するアプリのサブスクリプション手数料は最初の1年目が30%で2年目以降が15%となっているのですが、例外的にプライム・ビデオについては1年目から15%と設定しています。
 

 
これはクックCEOとAmazonのジェフ・ベゾスCEOとの交渉によって決定されたとしており、他のアプリにはない厚遇となっています。動画配信の大手アプリであるプライム・ビデオを特別扱いしたことで、他の開発者からは批判が出てもおかしくはない状況です。また公聴会を開催した委員会での審議にも影響を与える可能性があります。

AppleとAmazonの和解

過去にAppleとAmazonはプライム・ビデオアプリの取り扱いについて激しく対立していました。単にApple TVとAmazonのFireTVが競合製品であるだけでなく、iOSアプリ内の課金の配分率でも揉めた結果、AmazonではApple TVが販売されず、Apple TV向けにはプライム・ビデオアプリが公開されないという状態が長く続きました。
 

 
対立はCEO同士の交渉で和解に至ったのですが、この時に手数料の特別扱いが決定されたと考えられます。Amazonとの対立はAppleにとってもマイナスであり、解決すべき問題だったと思われますが、特別扱いを認めたことで他の開発者からの批判に晒される可能性も出てきました。この特別扱い問題がどう展開していくか、大いに注目されています。
 
 
Source:Bloomberg
(KAZ)

モバイルバージョンを終了