インド、米中貿易摩擦に乗じてAppleやFoxconnを誘致

インド ムンバイ https://pixabay.com/ja/ムンバイ-空撮-海の海岸-アラビア海-インド-385295/
 
激化する米国と中国の貿易摩擦に乗じる形で、インド政府がAppleやFoxconnなどの企業に対し、同国へ投資するよう働きかけていることが判明しました。

Appleとサプライヤーの名前がリストに掲載

Reutersが入手した文書によれば、現地時間8月14日に複数のインド政府高官が会談し、ターゲットとする企業のリストを作成。リストには、エレクトロニクス、通信、自動車、製薬を含む9セクターに分類される多くの企業名が並んでおり、AppleやFoxconn、Pegatron、Wistronの名前もありました。
 
文書には、インド政府が8月26日から9月5日にかけてこれら企業と会談、投資とインセンティブについて話し合う計画も記されていた模様です。
 
政府が新たなインセンティブを提示したのか、それとも既存のものを再確認したのか詳細は不明ですが、文書の内容は、インド政府が外国企業からのさらなる投資や、生産拠点の設立を切実に求めていることを示すものだったと、Reutersは報じています。

インドはすでに波に乗り遅れている?

米中貿易摩擦、そして中国における人件費の高騰を受け、企業は中国以外での生産を検討し始めています。そこで候補として浮上しているのがインドですが、米ワシントンを拠点とするシンクタンクCenter for Strategic and International Studiesの米印専門家リチャード・ロソウ氏は「(中国以外にも)もうひとつ、巨大な国内市場を持つモンスター国家、インドがあるが、急がなければならない。今すぐ新しい波に乗る必要があるだろう。実際問題『すでに波に乗り遅れているのでは?』とすら思えるほどだ」と述べています。
 
事実、Alphabet傘下のGoogleは、スマートフォンPixelの組立工場を中国からインドではなく、ベトナムへと移転することを決めています。
 
インド政府はまた、国内で販売される製品の30%を地元生産品とする「30%ルール」を緩和、海外企業による単一ブランド品のオンライン直販を認めたとも伝えられており、米国と中国がいがみ合っている間に、現在中国へ向いている外国企業の目を、インドへ向けさせようとしているように見えます。
 
 
Source:Reuters
Photo:Pixabay
(lunatic)

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